皆様、ぎふチャンのラジオ番組で『きょうもラジオは!? 2時6時 』ってご存じでしょうか?

2021年7月22日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』第27回目の放送です。

本地洋一さん:このコーナーでは心臓の病気について、またその予防や治療法について松尾院長にお話を伺っていますが、今日は先生がいらっしゃる『岐阜ハートセンター』についてお話を伺おうと思います。

『岐阜ハートセンター』とはどのような病院で、どのような医師やスタッフがどんな仕事をされているのでしょうか?

病院の中が見えるようなお話をお願いします。

松尾仁司院長: 『岐阜ハートセンター』の開院は2009年の2月5日です、現在開院から13年目の病院です。

本地洋一さん:13年目というと病院としては、比較的若い病院と言えるのではないですか?

松尾仁司院長:そーですね!病院としてはまだまだ赤ちゃんでしょうかね(笑)

本地洋一さん:それでも会員から10数年経過すると病院内の様子もずいぶん変わったのではないですか?

松尾仁司院長:2009年『岐阜ハートセンター』は、循環器疾患(心臓や血管の病気)に特化した岐阜県下初の専門病院として入院ベッド60床でスタートしました。その時のスタッフは循環器内科医師が4人、心臓血管外科医師が3人、看護師30人、その他のスタッフを合わせても全員で54名でのスタートでした。

その後、我々が行う検査や治療のバリエーションも増え、徐々にスタッフもふえてきました。2015年に増床して現在は90床で運営しています。スタッフ数は2021年7月現在 循環器内科医師17名、心臓血管外科医師4名、麻酔科医師2名、全スタッフ合わせると合計205名と開院時の4倍近くになりました。

本地洋一さん:循環器内科医師17人、心臓血管外科医師5人というと、都会の大病院でも循環器に限ればそれだけ多くの医師がお見えになる病院も少ないのではないでしょうか?

それは『岐阜ハートセンター』が極めて専門性が高い病院だからでしょうか?

松尾仁司院長:『岐阜ハートセンター』は総合病院ではないので、医学部を卒業したての初期の研修を単独で行うことはできません。どちらかというとすでに循環器専門医の資格を持ち、その技術にさらに磨きをかけようとしている中堅以上の医師や、初期研修が終了し、循環器に特化した専門技術を習得し、循環器内科や心臓血管外科の専門医を目指す医師が集まってきていると言えます。

●岐阜ハートセンター循環器内科医師 17名

●日本内科学会認定 内科専門医 10名

●日本循環器学会認定 循環器専門医 13名

●心血管カテーテル治療学会 専門医 6名

●心血管カテーテル治療学会 認定医 4名

●日本不整脈学会認定 不整脈専門医 3名

本地洋一さん:循環器内科の中にも様々な専門分野があるみたいですね!

松尾仁司院長:内科の中に消化器内科や呼吸器内科、神経内科など様々な専門分野がありますが、循環器内科もその専門分野の一つです。また循環器内科の中にも不整脈専門医や虚血性心臓病に対するカテーテル治療専門医、心不全専門医などより専門性が高い分野があります。『岐阜ハートセンター』にはこれらのフィールドの一線で活躍する医師が集まってきているため、その意味で質の高い循環器診療を患者様に提供できていると考えています。

本地洋一さん:循環器内科の中でも様々な専門性の高いスペシャリストに診察や治療を受けることが出来るということですね!

心臓血管外科も同様と考えてよろしいですか?

松尾仁司院長:『岐阜ハートセンター』には4名の心臓血管外科医が在籍しています。全員が日本外科学会の専門医でうち3名は日本心臓外科学会の専門医、つまり心臓外科のスペシャリストです。彼らは24時間体制で緊急手術に対応してくれています。

●岐阜ハートセンター心臓血管外科医師 4名

●日本外科学会 専門医 4名

●日本心臓外科学会 専門医 3名

また、循環器内科医17名、心臓血管外科医4名がチームとなっています。患者様が抱える様々な病気に向き合う際に薬物治療やカテーテル治療、外科手術など内科的治療と外科的治療など多くの選択枝の中から、どの治療法が患者様にとって最善かを内科と外科がしっかりディスカッションして決定いくというプロセスが、最良の循環器医療を提供するために大変重要だと考えています。

『岐阜ハートセンター』では21名の医師全員が同じ医局という大きな部屋にいますので、こういったディスカッションが行いやすい環境にあります。循環器内科と心臓血管外科は競合するのではなく、協力して最善の循環器医療を提供するために毎日の診療に従事しています。

本地洋一さん:24時間体制ということは、昼間だけではなく循環器の救急患者さんをいつでも受け入れる体制をとっているということですか?

松尾仁司院長:『岐阜ハートセンター』の理念は以下の4つのSです。

1. 安全(Safety)

やさしさを医療の中心においた、何よりも安全な医療の提供に努めます。

2. 専門技術と情報発信(Speciality and Science)

心血管疾患専門病院として、どこにも負けない確かな技術の提供に努めます。

3. こころ(Spirits)

こころ温まるケアを実感していただけるよう、接遇に努めます。

4. 体制(System)

24時間365日、絶対にお断りしない体制の整備に努めます。

これら4つの理念を実践していく上には、マンパワーつまり医師をはじめとした職員の数も必要となりますが、これらを実践していくことが『岐阜ハートセンター』に地域から求められている使命だと考えています。

本地洋一さん:多くの医師がそれぞれの専門分野の垣根を越えて共同して理念の実現にむけて活躍されているということですね!

本屋さんなどで治療別の病院ランキングが掲載された本などをみますと、循環器分野ではハートセンターグループの名前が常に上位に並んでいるのを見ますよ。

カテーテル治療

アブレーション治療

心臓手術

松尾仁司院長:我々は手術数が多いことを第1として目指しているわけではありません。

いい医療を続けていることの結果として患者様が『岐阜ハートセンター』を選んで来院していただけることが理想です。このために、『岐阜ハートセンター』が循環器専門病院として目指す医療は

●正確な診断を行うこと

●治療適応をきちんと吟味すること

●手術、手技を的確に高いレベルで行うこと

●長期予後を考えた術後管理、ケア

です。

本地洋一さん:カテーテル治療や外科手術をきちんと行い成功させる。その後の再発を防止して良くなった状態を維持するために内科の先生がお薬や生活指導をしていくということでしょうか?

松尾仁司院長:循環器内科が行うカテーテル治療で詰まった冠動脈にステントを留置したり、外科的開心術でバイパスをつないで血流を再開しても、流れている血液がきれいでサラサラでないと、治療後長く元気で健康的な生活を送ることは困難です。

『岐阜ハートセンター』で侵襲的な治療を行った患者様が、長く元気に生活していただくために、地域の開業医の先生と協同して患者様を診療させていただいております。

再発を防ぐためには患者様の状況を、我々と地域の開業医の先生がきちんと共有して、お薬を処方したり生活面のケアをしたりすることが、健康年齢を長く維持していくうえで大切だと考えています。

吉田早苗さん:次回のハート相談所は2021年8月12日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。