こんにちは、理学療法士の久世です。先日岐阜ハートセンターのYoutubeを開設し、心臓リハビリテーション室から運動の動画を配信致しました。ご自宅で手軽に行える内容となっておりますので、是非動画を見ながら一緒に運動を行ってみてください。

 

 

 前回は「心臓リハビリの効果」についてお話しさせて頂きました。心臓病には血管の病気や弁の病気、脈の問題など様々です。もちろんそれぞれの疾患によって目的やプログラムも異なります。今回は『狭心症』についてお話したいと思います。

 狭心症とは、心臓の筋肉(心筋)に供給される酸素が不足するために胸部に一時的な痛みや圧迫感が起きる病気です。 狭心症の人では、胸骨の後ろの部分に不快感や圧迫感がみられます。 典型的には狭心症は運動時に発生し、安静にしていると回復します。 狭心症の診断は、症状と心電図検査および画像検査の結果に基づいて下されます。

 狭心症の原因は、ほとんどが動脈硬化です。 動脈硬化とは、高血圧その他のさまざまな要因で血管が柔軟性を失い、硬くなってしまった状態です。 動脈硬化が進むと、血管の厚みが増し、血管を狭めます。 また、コレステロール等が溜まって、血管壁の内側に、脂質(脂肪分)から成るコブのようなものができます。私たちの体の中を流れる血液は「血管」という管(くだ)を介して流れており、その血管には「動脈」と「静脈」の2種類があります。動脈は年を取るにつれて “しなやかさ”を失い、硬くなっていきます。これを「動脈硬化」と言いますが、喫煙、高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣(病)は動脈硬化を進行させます。さらに進行すると、硬くなった動脈の内側が脆く(もろく)なり、脂肪やコレステロールなどが蓄積した”おでき”ができやすくなります。これを「粥腫(じゅくしゅ)」と言い、血管の中が狭くなったり、詰まったりする原因となります。

 心臓リハビリテーションではこの動脈硬化を防ぐため、運動療法や栄養療法を行い、再発予防のためのプログラムを実践します。Hambrechtらは安定狭心症患者101人を運動療法群とPCI群とに分け、12ヶ月間追跡したところ、虚血性心事故(心死亡、脳卒中、心肺停止、冠動脈バイパス術、PCI、不安定狭心症入院)回避率は運動療法群のほうがPCI群よりも良好であると報告しています。

 血管の病気をお持ちの患者様や今後の再発予防に興味がある方は是非心臓リハビリテーション室(058-213-0489)までご連絡ください。

 あなたにとってベストなリハビリテーション プログラムを提供します。次回は『狭心症のリハビリ』について詳しくお話しさせて頂きたいと思います。