あしの問題を考える場合、これまで虚血性心疾患と閉塞性動脈硬化症などの動脈に対して循環器内科、心臓血管外科が問題を共有して解決してきました。

現在私たちは、あしの外来とともに下肢静脈瘤を含めた慢性静脈不全に対して治療を行なっています。下肢静脈瘤は循環器内科から外科への紹介が一般的で、逆に下肢静脈の問題から全身病の併存など内科への紹介などはなされてきませんでした。文献上、慢性静脈不全は動脈硬化病変を併存することがいわれており、当院の研究では慢性静脈不全患者で冠動脈カルシウムスコアを測定すると100以上(冠動脈の石灰化中等度以上)が35%存在しました (IRB 2023062)。これまで狭心症などの精査は行なわれることなくあしの治療のみなされてきました。あしと全身の両方を診る視点に立つことで、このような無症候性狭心症のリスク群に対して予防、診断、治療を行なうことができるのは、ハートセンターならではのものと考えています。また、あしの外来の患者から心不全が診断されることもしばしばです。

あしのむくみ、痛みなどの症状にお困りで、何病院、何科にかかればよいかわからず苦労されている様子もよく見聞きにします。ハートセンターが扱うのは心臓だけで下肢静脈の治療をやっているとは思わなかったと聞くこともしばしばです。静脈センターと名前をつけることで、病院の外から下肢静脈疾患に関して親しみやすく当院にアクセスしやすくなることが期待されます。いままでハートセンター(心臓専門)には存在しなかった分野を、total vascular careの一役を担う部門として育てることと、下肢静脈とからだ全体の健康を守ることがわたしたちの願いです。

ビジョン

・岐阜ハートセンターでの足の問題の窓口として引き続き機能してまいります。

・あしのむくみを中心とした慢性下肢静脈不全に対して局所と全身を診断、治療、ケアを行なうことで患者の生活の質を改善させること。

・目の前の患者様・下肢静脈に関連するすべての患者様のため、岐阜ハートセンターの4Sの一つのspecialty and scienceを実践し、日常の疑問を臨床研究で解決し、日常臨床にフィードバックします。

・教育、啓発活動を多面的に行い患者様、社会に貢献します。

啓発活動(地域)

カフェテリア、2月10日(フットの日)、ラジオ、講演など

医師、多職種のネットワークの形成

東海静脈学会地方会第1回が2024年2月に開催