CCU看護師
集中治療室には心臓手術後、心疾患など重篤な患者が数多く入室されます。生命の危機にある患者様に対し、治療が最も効果的となるよう各職種の医療スタッフが日々努力を続けています。
看護師の立場として常に「こうしたらもっといいかな」「何ができるかな」と日々考え、悩んだりしています。同じ疾患であっても、一人ひとりの苦悩や苦痛、いま必要としていることは違っています。その人に合ったケアをすること、その人らしさを考えた看護を提供することが何より大切だと考えます。
重症患者様のケアは、24時間体制の治療を行ない、患者様のわずかな身体的変化にも注意し対応します。生体モニターなど定期的に評価する多くの観察事項から、人体の中で何が起こっているかを考えアセスメントし、医師と看護師で連動して対処します。さらには、表情などの少しの変化から苦痛や不安を感じ取り、苦痛を除去し不安が和らぐように働きかけます。緊張した患者さんが出来るだけ普通に過ごせるような環境づくりも大切にしています。
受け持たせていただいた患者様に、肺炎、心不全から全身状態が悪化し、人工呼吸器、人工心肺機器装着まで至った方がいました。治療を行なうも重篤な病状が続く一方でした。その中で少しでも呼吸状態が良くなるよう医師を中心に多職種間で連携をとり、腹臥位療法を行ないました。
腹臥位療法とは、腹側肺の過膨張を是正し無気肺の改善が期待される治療法の一つです。点滴や呼吸器の管が多く、上手くいかない時は重大な事故に繋がる危険性があるため、チーム内で方法、手順を話し合い、シミュレーションを繰り返しながら連日続けることができました。呼吸状態は徐々に改善し、人工呼吸器を外す事ができました。
その後もリハビリを継続することにより、ベッドから起き上がり車椅子に乗って動けるまでに回復することができました。
急性期領域では病態、治療に目が向きがちですが、患者様の「その人らしい暮らし」を理解し、できるだけ元の生活に戻すことを意識してケアしていくことが大切です。
自分たちのケアを通じて良くなっていく患者様の姿、喜ぶ家族をみることが私たちにとって一番のやりがいであり、誇りとなります。
その人らしく生きること…看護師として出来る事は何かを考えながら、これからも多くの患者様を支え、学び成長していきたいです。