3階病棟看護師
当院は急性期病院です。緊急入院となり、自宅と違う環境で治療に向き合う患者様も少なくありません。
患者様は身体的、精神的な負担がとても大きい状態であり、緊急入院や治療後の苦痛や慣れない環境下での混乱、ストレス、不安などにより、せん妄というものを発症してしまう方もおられます。また治療に伴う体の痛みなどの苦痛、入院に伴う筋力低下や体につながる何本もの管で足を引っかけてしまうことで、転倒を起こしてしまうことがあります。転倒を起こすことで、恐怖心から活動量が更に減り、筋力や日常生活動作がますます低下してしまうという悪循環が起こります。それにより場合によっては入院期間が延びてしまうこともあります。
私が所属する病棟にはKYT(危険予知トレーニング)チームというものがあります。
KYTとは、入院生活の中に潜む様々な危険について話し合い、予知と対策を行う訓練のことを言います。スタッフ1人ひとりが危険を予知し対策する力を身につけることで患者様の安全を守ることに繋がります。
現在KYTチームを中心に、患者様のベッドサイドへ直接伺い患者様を含めたカンファレンスを毎日実施しています。
ベッドサイドで行うカンファレンスは患者様が一緒に参加できる為、環境の現状を把握することができ、その時の患者様の思いも知ることが出来ます。入院中、患者様は1日の大半を病室で過ごすこととなります。毎日過ごす病室で不便な事、つらい事などがないかを確認し、患者様と一緒に環境調整を行います。そして、スタッフが共通して現状を把握し、現在の患者様の日常生活動作や安静度、体内留置物などの有無から予測される危険を回避するための意見を出し合い、ベッドの位置や点滴の位置等を患者様に合わせて調整させていただきます。それにより、1人ひとりの個別性に合ったよりよい環境を作ることが出来ます。ベッドサイドカンファレンスの実施によりスタッフ同士の問題解決能力も高めることができています。
私たちは、患者様が入院や治療に伴う大きな不安やストレスの中どうすれば少しでも安心した気持ちで、安全に過ごすことができるか日々考えています。
患者様が入院前と同じ状態で不安なく退院して頂くために、今後もチーム一丸となって患者様の安全と安心が得られるような環境を目指していきたいと思います。