こんにちは、理学療法士の久世です。年末年始で食べすぎたり、寝正月で運動不足の方もいらっしゃるかもしれません。新しい年になったので。気持ちも新たに生活習慣改善に取り組んでいただきたいと思います。
今回は前回お話しした通り『ヒートショック』についてお話しさせていただきます。
ヒートショックという言葉はあまり聴き慣れないかもしれません。ヒートショックとは、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることをいいます。
ヒートショックの原因は、急激な温度差によって血管が収縮し、血圧の乱高下が起こることです。血圧が上がると、脳梗塞や心筋梗塞などの病気につながるおそれがあります。症状は、軽度であれば立ちくらみやめまいとして現れ、重度になると、意識消失・頭痛・嘔吐・脱力・ろれつが回らない・胸や背中の痛みなどの症状があらわれます。
ヒートショックは、特に冬季の入浴時に起こりやすいことが知られています。暖房をしていない脱衣場や浴室では室温が極端に低くなりがちで、こうしたなかで衣服を脱ぐと、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がります。温かい湯船に入れば、今度は血管が拡張して、血圧が急激に下がります。
ヒートショックによる意識障害が浴槽内で起こると、溺れて死亡する事故につながることもあります。
入浴中のヒートショックを防ぐために!
ヒートショックを防ぐためにできる工夫をまとめました。できることから取り入れて、ヒートショック対策を行ってみてください
〜入浴に伴うヒートショックの予防策 7ヶ条〜
(1)血圧が高いときには、入浴を控える
収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上の場合は入浴を控えたほうがよいでしょう。
(2)入浴前後には、コップ一杯の水分補給を
脱水を避けるために、水分補給も忘れないようにしましょう。
(3)入浴前に脱衣場と浴室を暖かくしておく
脱衣場に小型のヒーターを設置したり、浴室内の壁に温水シャワーをかけるなどして温度と湿度を上げましょう。湯船のお湯張りをシャワーで高めの位置から行うのも、浴室全体を暖めるのに役立ちます。
(4)湯船につかる前に、シャワーやかけ湯で体を温める
寒いからと急に湯船につかるのは危険です。シャワーやかけ湯で徐々に体を温めましょう。また、入浴後は、浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
(5)湯船の温度はぬるめ(41℃以下)とし、長湯を避ける
湯船につかっている時間は10分以内を目安に、入浴全体の時間も長すぎないようにしましょう。
(6)入浴前のアルコール・食後すぐの入浴は控える
アルコールや食事は一時的に血圧を下げるため、直後の入浴は控えたほうがよいでしょう。
(7)家庭内で「見守り体制」をつくる
高齢者や持病のある方は特に、入浴前に同居者に一声かけましょう。また同居者は、いつもより入浴時間が長いときには入浴者に声をかけましょう。
病気の予防や運動に興味がある方や運動処方をご希望の方はぜひ心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。
次回は最近話題の『フレイル』についてお話をさせて頂きます。
あなたにとってベストなリハビリテーションプログラムを提供します。皆様からの質問については分かりにくいと思いますので、ご質問がある方は是非ご連絡いただけると幸いです。