『きょうもラジオは!? 2時6時 』~第108弾~

2024年11月28日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 今年22回目の放送です。

本地洋一さん: 今日のテーマは『心臓喘息(しんぞうぜんそく)』です。

吉田早苗さん:『喘息』は耳にします。じつは私も本地さんも喘息と診断されています。でも『心臓喘息』とは初めて聞きました。

所謂『喘息』『心臓喘息』は違うのですか?

 

松尾仁司院長:お二人の喘息は正式には気管支喘息ですね。

気管支喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、過敏になっている状態を特徴とする呼吸器疾患で、アレルギーや遺伝的要因が関与する場合が多いです。

症状としては、慢性的な咳、夜間や早朝に悪化する呼吸困難、胸の圧迫感や喘鳴つまり息を吸ったり吐いたりする際に「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音が聞こえます。これらはダニ、花粉、ペットの毛などのアレルゲンに気管支が感作されて痙攣をおこし、空気の通り道が細くなることにより発作的症状が悪化することによります。

一方『心臓喘息』は、心臓の異常によって引き起こされる呼吸困難の症状を指します。

これは通常、心不全などが原因で心臓のポンプ機能が低下した結果心臓が正常に血液を送り出せなくなり、肺に血液が滞ることによって起こります。

つまり、肺に液体が溜まることを肺うっ血や肺水腫といいますが、これにより空気の通り道である気道が狭くなり、喘息のような症状が現れます。

≪心臓喘息の特徴と症状≫

・呼吸困難:特に横になると悪化することが多い(起坐呼吸)

・咳:湿った咳が出たり、ピンク色の血が混じった痰が出ることもある。

・喘鳴:息を吸うときにゼーゼー」「ヒューヒュー」といった呼吸音が聞こえる。

・夜間の発作:心臓喘息は夜間に発生しやすく、睡眠中に突然呼吸困難で目が覚めることがある。

≪心臓喘息の原因≫

・左心不全

・弁膜症(特に僧帽弁狭窄症)

・高血圧性心疾患

・心筋症

本地洋一さん: つまり気管支喘息と心臓喘息は外から見た患者さんの症状は似ているけれど、病態は全く違うということですね!

の原因は心不全とのことですが、心不全の方は皆さん『心臓喘息』を起こすわけではないと思うのですが・・・

松尾仁司院長: 大変良い質問だと思います。

心不全の症状は、軽症から重症に進行するにつれて、次第に悪化します。

心不全が軽症の段階では、息切れ、疲労感、むくみ、動悸といった症状は非常に軽微で、日常生活に大きな支障が出ることは少ないですが、運動時に顕著となる特徴があります。

症状が進行し、中等症となるとや軽い運動での息切れといった症状が出はじめ、加えて持続的な疲労感、むくみの広がり、夜間頻尿、体重増加などの症状が出現します。

さらに重症の段階まで進行しますと心不全の影響が全身に及び、『心臓喘息』の症状も出現し、生命に危険を及ぼすこともあります。

・重度の呼吸困難:安静時でも息が切れ、会話や食事にも支障をきたす。

・咳や喘鳴:肺に水分が溜まることで、夜間や横になるとひどくなる(起坐呼吸)。

・血液循環の悪化:手足が冷たく、青白くなる(チアノーゼ)。

・食欲不振・腹部膨満感:消化器官への血流不足や腹水による。

・混乱・意識障害:脳への酸素供給不足や血流減少の影響で意識がぼんやりする。

・心拍異常:深刻な不整脈が現れ、心停止のリスクも高まる。

本地洋一さん: 気管支喘息と『心臓喘息』は外から見た症状としては似ているけれど、その原因と誘因が全く違うということ、『心臓喘息』の症状心不全がかなり進行した状態で現れる症状だということがよくわかりました。

松尾仁司院長: 『心臓喘息』の原因や病態、治療法の違いをいかにまとめます。

1. 原因

心臓喘息:

・主に心臓の機能不全(左心不全)にょうて引き起こされる。

・血液が肺に滞留し(肺うっ血)、肺水腫を引き起こすことで呼吸困難が生じる。

・心疾患(心筋症、弁膜症、高血圧性心疾患など)が根本原因。

気管支喘息:

・アレルギー反応や炎症が原因で、気道が過敏になり収縮する。

・花粉、ダニ、ペットの毛、喫煙、運動、ニストレスなどの外的要因が誘因となる。

・アレルギー体質や家族歴が影響することが多い。

2. 症状の特徴

心臓喘息:

・横になると症状が悪化(起座呼吸)。

・夜間や睡眠中に突然発作が起こることが多い。

・湿った咳や血痰が出ることがある。

・足のむくみや倦怠感など、心不全に伴う症状を伴う場合がある。

気管支喘息:

・咳、喘鳴、呼吸困難が運動やアレルゲン暴露後に起きやすい。

・発作時には息を吐くのが特に難しくなる(呼気性呼吸困難)。

・乾いた咳が出ることが多い。

・症状が反復的で、特定の誘因に関連する。

3. 診断の違い

心臓喘息:

・胸部X線で肺うっ血や心臓拡大を確認。

・血液検査でBNPやNT-proBNPの上昇を確認。

・心電図や心エコーで心臓の異常を確認。

気管支喘息:

・呼吸機能検査(スパイロメトリー)で気流制限を評価。

・アレルギー検査(皮隅テストやlgE抗体測定)。

・胸部X線では異常が見られないことが多い。

4. 治療法の違い

心臓喘息:

・心不全の治療が主。

・利尿薬(肺にたまった液体の除去)。

・血管拡張薬(負荷軽減)。

・酸素療法。

・根本的な心臓疾患の管理が重要。

気管支喘息:

・気道の炎症や収縮を抑えることが主。

・吸入ステロイド(抗炎症)。

・β2刺激薬(気管支拡張薬)。

・アレルゲン回避や長期管理薬の使用。

5. 発作の予防と管理

心臓喘息:

・塩分制限や適切な体重管理。

・定期的な心臓疾患のフォローアップ。

気管支喘息:

・アレルゲンや誘因を避ける。

・長期管理薬を遵守して使用。

 

吉田早苗さん: 気管支喘息と『心臓喘息』は症状は似ているけれど、原因や治療法が全く異なるため、やはり専門の医師に診てもらうことが大切だということですね。

吉田早苗さん: 次回のハート相談所は2024年12月12日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。