こんにちは。理学療法士の久世です。皆様体調はどうですか?早くも真夏日になる日も出てきて厳しい暑さがやってきました。この時期はとても体調管理が大事ですね。
暑くなり、喉が渇く日も増えてきたのではないかと思いますが、今回は心不全患者様の水分摂取について伝えたいと思います。
心不全の患者様は心臓から拍出される血液が少ないため、水分量を調整する必要があります。よって利尿剤を服用したり水分制限などを行っている患者様も少なくありません。
最近発表された心不全のガイドラインでは心不全患者様の水分摂取に関しては下記のように回答されておりました。皆様もう知る通り運動には心臓にとって様々な良い効果を期待することができ、高いレベルで推奨されております。

2025年改訂版心不全診療ガイドライン(日本循環器学会/日本心不全学会)
代償期というのはいわゆる安定している慢性期という解釈ですが、弱く推奨というところがポイントです。
過去の研究よる報告では水分制限をすることによって日常生活における生活の質を改善させると報告されているものもあります。

Albert NM, et al. J Card Fail. 2013 Jan;19(1):1-9.
しかしながら、最近の研究ではあまり変わらないのでは・・・といった見解も増えてきており、まだまだ見解が一致していないのが現状です。

Herrmann JJ, et al. Nat Med. 2025 Jun;31(6):2062-2068.
こちらのデータによると制限をしたグループとしなかったグループで心不全が悪くなったなどの差は認めなかったと報告されております。
これらの結果から、安定している患者様においては過度な飲水制限は逆に日常生活の質を落としてしまう可能性があるため、水分摂取量を見直しても良いかもしれません。
医師より水分制限を指示されている方は自己にて飲水量を決めることは逆に心不全を悪くしてしまう可能性がありますので、これから暑くなる時期に水分摂取量を一度主治医の方にご相談してみてはいかがでしょうか?
そして、その水分摂取量が正しいかどうかは日頃の管理が非常に重要です。体重の増加がないかやむくみが増えてきていないかどうかは必ず確認しましょう。また、病院での定期的な血液検査で心臓のホルモンの値が増加してきていないかどうかを主治医に確認してもらうことが大切です。
外来リハビリテーションではそういった方々に対して我々は個別の疾病管理指導を行い、その方の目標を一緒に達成できることを支援しています。
理学療法士はあなたにとってベストな疾病管理プログラムを提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。
また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。