こんにちは。理学療法士の久世です。あっという間に少し肌寒い日が増えてきましたが皆様体調は以下かでしょうか?季節の変わり目は非常に体調を崩しやすいため気をつけましょう!

今回は以前にもお伝えした「歩数」の関してのお話をさせて頂きます。

従来「1日1万歩」が理想とされてきましたが、最新研究では8,000歩以上歩いても健康効果は頭打ちになることが明らかになっています。

厚生労働省の最新目標(健康日本21 第三次)では年齢別の歩数目標が設定されており、20〜64歳で8,000歩以上、65歳以上の男性で7,000歩以上、女性で6,000歩以上が推奨されています。

それ以外にも実は少ない歩数でも効果がある研究報告がありますのでご紹介します。

Stens NA, et al. J Am Coll Cardiol. 2023 Oct 10;82(15):1483-1494.

こちらは1,000歩ずつ歩数を増やした時にどれくらい死亡リスクや心血管イベントが抑えることができるかを視覚的に示したものです。1日に2,000歩増やすごとに早期死亡のリスクが8〜11%減少し Dm-net、4,000歩程度でも2,000歩と比べて死亡リスクが36%低減するという研究結果が出ています。2023年のアメリカ心臓病学会の研究では、1日約2,600歩から健康効果が現れ、7,200〜8,800歩が最も効果的とされています。

つまり、無理に頑張って毎日1万歩歩く必要はなく、まずは2,600歩を目指し、できる範囲で増やしていくことが重要です。

また、過去に行われた複数の研究結果をまとめて、総合的に分析した結果です。例えるならば、レストランを選ぶとき、1人の口コミだけでなく、たくさんの人の口コミをまとめて平均評価を見る方が信頼できますよね。

これによると歩数だけでなく、「歩くスピード」も健康に影響を与えることが分かっています。

この研究によると、1分間に60歩以上の速さで歩くと、より大きな健康効果が期待できる とのこと​。特に、 88歩/分以上の速さ(やや早歩き)で歩くと、死亡リスクがさらに低下 することが明らかになりました。

従来言われていた「1日1万歩」という目標にこだわる必要はありません。健康維持に必要な歩数は、実は7,200〜8,800歩程度で十分な効果が得られることがわかっています。

最初のステップは「2,600歩」を目指すこと。そこから少しずつ、1,000歩単位で歩数を積み上げていくアプローチなら、無理なく続けられます。

特別な運動時間を確保しなくても大丈夫。駅まで一駅分歩いてみる、エレベーターではなく階段を使う、いつもより少し遠いスーパーまで足を延ばしてみるなど、こうした日々のちょっとした工夫が、自然と歩数アップにつながります。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、今日から始めること。小さな一歩の積み重ねが、将来の健康な身体を作ります。

理学療法士はあなたにとってベストな運動管理を提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。