リハビリチームは患者様の生活を守ることをあきらめない
〜理学療法士・看護師編~
《外来リハビリテーションについて》
心臓リハビリテーションとは、心臓病の患者様が快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防止することを目指すための総合的活動プログラムです。内容として、運動療法と栄養療法、生活指導・相談(カウンセリング)、服薬管理などを含みます。心不全、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後などの患者様は心臓の働きが低下し、運動能力やからだの調節の働きも低下しています。そのため、退院してからすぐには強い活動が制限されることも多く、どの程度活動しても大丈夫なのかが分からない不安を持つ方も少なくありません。これらに対して当院では心臓リハビリテーションで適切な治療を行うため、専門知識を持った医師、理学療法士、看護師、管理栄養士、薬剤師など多くの専門医療職が関わる事で患者様一人ひとりの状態に応じた効果的なリハビリテーションプログラムを提案し、実施します。今回はそんな岐阜ハートセンターが誇る専門性の高いリハビリテーションスタッフの理学療法士と看護師を紹介させて頂きます。
《安全に最適な運動プログラムを提供する理学療法士》
理学療法士 永井 敬志
はじめまして、理学療法士の永井です。宜しくお願いします。理学療法士は主に運動療法にて患者様の体力の回復や社会復帰を目指しています。運動療法の基本は歩行や自転車こぎなどの有酸素運動とマシンを使用した筋力トレーニングです。適切な運動であれば心臓に悪い影響を及ぼさないばかりか、動脈硬化の進行予防と血管機能の改善、体力向上、日常生活における息切れや疲労感などの自覚症状の軽減、再入院予防や生命予後の改善にもつながることが科学的に証明され、積極的に治療としての運動療法を行うことが推奨されています。よって、心臓病を患っている方でも元気で長生きするために、患者様一人一人に適した運動プログラムを提案することが理学療法士に求められている役割です。担当させていただいた患者様で、どうしても奥さんともう一度テニスをしたいとご希望されている方がいました。開始当初は一人で動くことすら難しい状況でしたが、外来リハビリに通っていただき、どうしたら元気になれるかなど熱心に質問され、一緒に考えながらリハビリを積極的にされていたことを覚えています。半年間のプログラムを終了して、しばらくしてから、奥さんと一緒にテニスをするという夢を叶えることができましたとリハビリ室まで報告に来て下さいました。そういった話は私たちのモチベーションにとてもつながります。これからも一人でも多くの患者様が病前の生活を送れるように精一杯サポートしていきたいと思っています。
《日常生活の安心を管理する看護師》
看護師 亀山 幸花
こんにちは、看護師の亀山です。宜しくお願いします。病気のコントロールや再発予防のためには、自分の身体の状態を知り、病気を管理する必要があります。でも、病気を管理することってなかなか難しいですよね?看護師は外来リハビリテーションで来院される際に毎日実施しているセルフモニタリングの確認や振り返りを一緒に行い、患者様の身体の状態を把握し、感染予防や禁煙についてなどの生活指導を行っています。患者様の一番身近な存在として一人一人直接指導にあたり、患者様ご自身が病気の原因や症状や予防策について理解を深めることで、治療後の生活の質の向上と 再発予防に働きかけていくことが看護師の担う役割と考えています。以前に何度も再入院を繰り返す患者に対し、本人だけでは病気の管理が難しいと感じたことがありました。私は患者様のご家族に直接連絡し、実際に患者様と共に来院していただき、一緒に生活指導を聞いていただいたことがありました。その患者様はその後心不全による再入院がなくなり、改めて周囲のサポートが大事だということを感じました。それからは私も積極的に患者様だけでなく、ご家族様にも可能な限り協力していただくようお伝えするようにしています。退院後の生活で不安なことやわからないことなどがあれば気軽に相談して下さい。ご本人だけでなく、ご家族の方とも話をしながら、不安を軽減できるよう一緒に考えていきたいと思っています。