こんにちは。理学療法士の久世です。立春を迎え、暦の上では春ですが、まだ寒い日が続きますね。1月から運動を始められた方、いかがでしょうか。今月は「フレイル(虚弱)」について、一緒に学んでいきましょう。体力が落ちていても、早めに気づいて対処すれば改善できることが、最新の研究で分かっています。

 

今月のテーマ:フレイルを知って、予防・改善しよう

「最近、疲れやすくなった」「以前より動くのがおっくうになった」そんな変化を感じていませんか?それは、もしかしたら「フレイル」のサインかもしれません。フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下した状態のこと。でも、適切に対処すれば改善できる状態なのです。

研究が示すフレイルの重要性

2024年に発表された大規模な研究では、オーストラリアとニュージーランドで心臓手術を受けた46,928人の患者さんを調べました。その結果、Clinical Frailty Scale(臨床的フレイル尺度)という評価方法で測定されたフレイルの程度が、手術後の回復や生存率に大きく影響することが分かりました。

具体的には、フレイルのある患者さんは入院期間が長くなる – 回復に時間がかかります

集中治療が必要になりやすい – より手厚いケアが必要に

退院後の生活に支援が必要 – 自宅に直接帰れない方が増加する

でも、朗報もあります! この研究は同時に、フレイルを早期に見つけて適切にケアすれば、より良い結果が得られることも示しています。つまり、「気づいて、対処する」ことが何より大切なのです。

フレイルのセルフチェック

以下の項目をチェックしてみましょう。3つ以上当てはまる場合は、フレイルの可能性があります。

 体の変化

☐ 体重減少 – この6ヶ月で2〜3kg以上減った(意図せず)

☐ 疲れやすい – わけもなく疲れた感じがする

☐ 筋力低下 – ペットボトルの蓋が開けにくくなった

 活動の変化

☐ 歩く速度が遅い – 青信号で横断歩道を渡りきれない

☐ 活動量の低下 – 軽い運動や体操をしていない、外出が減った

 1〜2個該当 → プレフレイル(フレイル予備軍)、3個以上該当 → フレイルの可能性

 

日常生活でできるフレイル予防法

1. 栄養をしっかり摂る(所要時間:毎日の食事)

心がけることとしては1日3食、規則正しく食べる、タンパク質を意識して摂る(肉、魚、卵、大豆製品)、10品目を目標に、多様な食品を食べる。

具体例としては以下の通りです。

朝食:ごはん、納豆、卵焼き、味噌汁

昼食:焼き魚定食

夕食:肉野菜炒め、豆腐、サラダ

ポイントとしては「お腹いっぱい」ではなく「8分目」で止めることや間食には牛乳やヨーグルトがおすすめです。

2. 社会とのつながりを保つ(所要時間:週に2〜3回、各30分〜1時間)

やってみることとしては近所の人と立ち話をする、地域のサロンや体操教室に参加する、家族や友人と電話で話す、趣味の会に参加するなどです。

効果としては外出の機会が増え、会話で脳が活性化し、笑顔が増えて気持ちが明るくなることが期待できます。

3. 口の健康を保つ(所要時間:毎日、歯磨き後5分)

口の体操として「パ・タ・カ・ラ」を10回ずつ大きな声で言いましょう。方法としては舌を前後左右に動かしたり、頬を膨らませたり、すぼめたりします。

また、歯のケアとして毎食後の歯磨きや半年に1回は歯科検診も重要です。入れ歯の調整も忘れずにしましょう。

注意点としては硬いものが噛めない時は主治医や歯科医に相談すること、むせやすくなったら注意が必要です。

フレイル予防の3つの柱

フレイル予防には、次の3つが重要です。

1. 栄養(食べる)

 しっかり食べて、筋肉を維持

 特にタンパク質が大切

2. 運動(動く)

 先月紹介した室内運動を続ける

 外を歩く習慣をつける

3. 社会参加(つながる)

 人と会って話す

 外出の機会を作る

この3つは、どれか1つだけでは効果が半減します。バランスよく取り組むことが大切です。

今月のアクション:フレイルチェックと1つの新習慣

具体的な目標

フレイルチェックをする – 今月中に、上記のセルフチェックを実施

1つ新しい習慣を始める – 以下から選んで実践

毎朝、卵か納豆を食べる(栄養)

週2回、近所を15分散歩する(運動)

週1回、誰かと電話で話す(社会参加)

記録をつけてみよう!

カレンダーに、実践した日に「○」をつけましょう。

家族にも知ってもらおう!

フレイルのことを家族に話して、一緒に予防に取り組みましょう。

最後に

フレイルは、決して「年だから仕方ない」状態ではありません。早く気づいて、適切に対処すれば、改善できる状態です。「あれ?」と思う変化があったら、それは体からのサイン。無視せず、主治医や心臓リハビリのスタッフに相談してください。

2月は「気づき」の月。自分の体の変化に気づき、できることから始めてみましょう。小さな一歩が、これからの人生の質を大きく変えます。

 

次回予告:

3月は「退院後の不安を解消しよう」をテーマに、よくある質問にお答えします。お楽しみに!

理学療法士はあなたにとってベストな運動管理を提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。