こんにちは。管理栄養士の嶌田です。今回から複数回にわたって「炭水化物」についてお話ししようと思います。

「炭水化物」は「脂質」、「蛋白質」とともに三大栄養素と呼ばれ、体内では主に、体を動かすエネルギー源として利用されます。炭水化物の摂取が不足した場合、エネルギー不足になり、疲労感を感じやすくなったり注意力が散漫になる可能性があります。逆に、過剰に摂取してしまうと、消費されなかった炭水化物は中性脂肪に変換され、体内に蓄積されていきます。中性脂肪が過度に増加してしまうと、肥満や生活習慣病の原因となるため注意が必要です。

では、炭水化物の摂取量はどのくらいを目安にしたら良いのかということですが、日本人の食事摂取基準では、性別、年齢問わず1日に食事から摂取するエネルギーの50~65%が目標量とされています。

例えば、1日の推定エネルギー必要量が2000kcalの場合、1000~1300kcalを炭水化物から摂取すると良いということになります。炭水化物は1gにつき約4kcalのエネルギーになるため、250g~325gの炭水化物を1日に摂取すると理想的な量になるということになります。炭水化物はいろいろな食品に含まれていますが、主食となるご飯やパン、麺類などや、いも類、お菓子などに多く含まれています。炭水化物の多い食品の一部を下の表にまとめてみました。

 

1日3回の食事に、毎食ご飯を茶碗1杯(150g)食べたとすると、合計の炭水化物は167.1g、カロリーは702kcalになります。1日の推定エネルギー必要量が2000kcalの人の場合、おかずなどに含まれる炭水化物の量を考慮しても、茶碗1杯程度のご飯であれば目標量内に収まるのではないかと思います。間食などでお菓子を食べる習慣のある人は、炭水化物が多くならないように注意しましょう。

最近では「糖質オフ」や「糖質ゼロ」という表記を目にする機会も多いと思います。「炭水化物」と「糖質」は似たような意味で使われているため、違いが分からないという人もいるのではないでしょうか。

「炭水化物」は、体内で消化・吸収されエネルギー源となる「糖質」と、人の消化酵素では消化できない「食物繊維」の総称であり、「糖質」は「炭水化物」の一部ということになります。

そして、この「糖質」もさらに細かく分類することができるのですが、そちらについては次回お話ししようと思います。

 管理栄養士はあなたにとってベストな食事プログラムを提供します。次回も引き続き『炭水化物』について詳しくお話しさせて頂きたいと思います。