こんにちは、理学療法士の久世です。今年も残り少なくなり、寒さが日に日に厳しくなってきました。今年1年間このブログを配信し、多くの方からご意見やリハビリに参加したいといった声を頂き本当にありがとうございました。来年も皆様にとって有益な情報を配信させて頂きたいと思っておりますのでよろしくお願い致します。
今回も前回に引き続き『高血圧』についてお話させていただきたいと思います。
前回は高血圧に対して運動療法がどれくらい効果的かということや運動は継続することが重要というお話をさせて頂きました。では、実際どんな運動を行えば良いのでしょうか?
ガイドラインにおいても運動は定期的に行うことが推奨されており、主に有酸素運動とレジスタンストレーニングによる降圧効果が報告されております。
まず有酸素運動ですが一般向けのAHAの勧告では,運動を1回につき少なくとも10分以上持続し,合計して1日40分以上行うことが推奨されております。
運動期間としては12週間以上とされており、運動による効果を継続的にするためにはやはり一定期間以上続ける必要があります。
重要なのはどれくらいの強度で行うかですが中等度から高強度とされており、吉らは最大酸素摂取量の40-60%、Borg指数 12〜13 の楽である〜ややきついの範囲で行うことが推奨されておりますが、なかなか強度の設定を個人で行うことは難しいのが現状だと思います。
当院では心肺運動負荷試験(CPX)を用いて一人一人に適した運動処方を行っております。簡単に言うと体力測定を行い、心臓の負担を考えてどれくらいの時間や強度が良いかをお伝えできます。現在定期的にリハビリ通院されている方のほとんどにこの処方を行い、安心かつ安全な運動指導を行うことでより効果的な運動を行って頂くよう努めています。
もう一つはレジスタンストレーニングです。高血圧には持久的動的運動だけでなく,レジスタンス運動を補助的に組み合わせるとことでより降圧が期待できるとされております。
高圧だけではなくレジスタンストレーニングは骨格筋量維持に有効で,骨粗鬆症,腰痛の予防など身体機能の向上が期待できる有用なトレーニングです。また、近年注目されているフレイル(虚弱)な方に対してより筋力アップが重要とされており、フレイルな方ほどレジスタンストレーニングを行うことで降圧効果が期待できるといった報告もあります。
当院ではご自宅で行えるレジスタンストレーニングの内容をパンフレットで患者様にお渡ししております。
こちらは低強度のトレーニングとなっているため高齢者でも行える内容となっており、最近ではYouTubeにてこちらの運動をわかりやすく解説しながら動画で配信しております。
高血圧の患者様や今後の予防だけでなく、高血圧治療に興味がある方や運動処方をご希望の方は是非心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。
あなたにとってベストなリハビリテーションプログラムを提供します。次回も引き続き『高血圧を予防するための活動量』について詳しくお話しさせて頂きたいと思います。