こんにちは、理学療法士の久世です。日に日に暑い日が増えてきましたが、皆さま夏バテしないよう十分気をつけましょう。

前回から引き続き、今回もリハビリテーション室についてです。今回のテーマは『リハビリ室でこんなことが起きたら!?』というテーマでお話しさせていただきます。

心疾患をお持ちの方には当院の外来リハビリテーションをおススメしています。その理由の1つとして”監視下運動療法”です。要するに”医療者が管理を行い運動する”ということです。

心疾患をお持ちの方が運動するにはリスクが存在します。特に重症の方は運動することで心臓に負荷がかかりすぎて逆効果になってしまうことがあります。よって、リスクが高い心疾患患者様には監視下運動療法にて適切な運動量を管理する必要があります。

しかしながら、適切な管理を行っていても術後病態が不安定であったり、心不全コントロールなどが不十分である場合など、不整脈の出現や血圧変動、自覚症状が増悪することがあります。

このような場合、仮にご自宅で運動を行っていた場合、「すぐに病院に行った方がよいのか」、「少し休めばよくなるかもしれない」など、どう対処して良いか迷うこともしばしばあると良く患者様から耳にします。

リハビリ室にて運動を行っていれば患者様の異常事態にも早急に対応することができ、かつ、適切な判断が行えるため安心して運動を行うことができることが監視下運動療法のメリットです。

患者様の異常は運動中のみとは限りません。実際にリハビリ室で起こった事例をお話します。

1つ目はリハビリ室にて運動後に休憩していたところ、突如致死性不整脈が出現しました。短時間であったため患者様自身は特に症状はありませんでしたが、リハビリ中は必ず心電図モニターを装着しているのでスタッフが気づくことができました。その後の検査結果を踏まえて患者様はペースメーカーを入れることになりました。もし、運転中だと事故になっていたかもしれませんし、就寝中であれば気づくのが遅れて手遅れになる可能性もありました。

2つ目はいつも通りリハビリに来られた患者様ですが、この日はいつもよりも体重が増加しており、足も浮腫んでいました。お話を伺うと先日旅行に行った際にトイレに行くのが嫌で利尿剤を飲まなかったことや食事をいつもより食べすぎたことが分かりました。この日のリハビリは中止し、外来の診察を受けて頂きました。その結果、心不全が増悪傾向にあり、お薬の調整を行った後にこの日は帰宅しました。心不全は対応が遅くなるほど悪くなってしまい、入院が必要になる場合も少なくありません。

これら2つの事例はリハビリに通院していたことで一早く異常に気づくことができた事例です。

これらのように運動中の管理だけでなく、リハビリ室では病態の管理も合わせて行っております。運動を行うことに不安を感じている方やリスクが高いと思われる方には是非当院の外来リハビリテーションをおススメします。

病気の予防や運動に興味がある方や運動処方をご希望の方は是非心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

次回は『夏場に気をつけるべき運動』というテーマでお話しさせて頂きます。

あなたにとってベストなリハビリテーションプログラムを提供します。皆様からの質問についてお答えしたいと思いますので、ご質問がある方は是非ご連絡いただけると幸いです。