こんにちは、理学療法士の久世です。今年も残り3日となりました。今年も1年間「心リハブログ」を読んでいただきありがとうございまします。来年以降も引き続き皆様からの疑問や必要な情報を発信させて頂きたいと思っておりますので宜しくお願い致します。

 今年は暖冬と言われておりますが、やはりこの時期体調を崩される方は多いのが現状です。今回も前回に引き続いて『寒い時期に気を付けるべき症状』というテーマでお話しさせて頂きます。

 

冬場には心蔵病が増える!?

 心臓病は冬場に多く起こることが知られています。厚生労働省の統計によると、心臓病による死亡数は1月が最も多く、次いで2月、12月、3月と冬季に集中しており、その数は夏季の約1.5倍となっています。

 心筋梗塞は心臓に血液を供給する冠動脈が詰まって心臓の一部が壊死する病気です。動脈硬化が進行して血管が狭くなったところに血の塊(血栓)ができたり、血管が痙攣性に収縮(攣縮)したりして起こります。冬場に起こりやすい理由としては、寒冷刺激で血管が収縮したり、血圧が上昇して心臓に負担がかかかることが考えられます。また、忘年会や新年会が多くなり、食生活の乱れやアルコールの摂り過ぎで血栓ができやすくなっていたりすることが関連しています。

 心不全は心臓の機能が低下して全身に水がたまる病気であり、特に胸や肺に水が溜まると呼吸が苦しくなります。心筋梗塞や高血圧など心臓の機能が低下する原因はいろいろありますが、そのような人が塩分や水分をとりすぎたり、血圧が上昇したり、風邪をひいたりすると心不全が起こりやすくなります。

 

冬場に多い症状は?

 この時期の体調の変化について1つは血圧が関係しています。血圧は季節によって変動しますが、特に寒くなる冬場のこの時期は血圧は血圧が上昇することが知られています。血圧が上昇する理由としては生体反応として人は寒さを感じると体温の発散を防ごうとするため血管が収縮します。しかしながら、高血圧は症状がほとんどない方が大半のため「サイレントキラー」とも呼ばれています。

 冬場だけ高血圧の薬の量が増えたり、普段は高血圧ではないのに冬になると治療が必要となる方もいらっしゃいます。寒い時期は血圧のコントロールが難しくなることを認識して生活習慣を引き締める必要があり、前回もお示しした通り下記の生活習慣是正項目の目標値をご参照ください。

 また、寒い時期に心臓の違和感を感じる方も多くいらっしゃいます。その理由の1つとしては心臓の違和感の正体は先ほどお話しした通り温度変化に起因する血管の収縮です。多くの場合は心臓に違和感を感じても、すぐに消失します。すぐに消える違和感に関しては、それほど心配はなく、少し安静にして様子をみる程度で問題ないことが多いでしょう。

 一方で、心臓に感じる違和感の中には、心筋梗塞をはじめ、命に関わる病のサインが出されている場合もあります。心臓の違和感が次のような条件に当てはまる場合には、早急に医療機関での受診を検討しましょう。

・胸が締め付けられるような感覚がある

・違和感が15分以上持続する

・冷や汗が出る

・ぼーっとする

 これらの条件に当てはまる場合は、心筋梗塞などの可能性も考えられます。万が一、予兆を感じたら、速やかに医師の診察を受けましょう。

 冬場だけ高血圧の薬の量が増えたり、体調不良で冬になると治療が必要となる方もいらっしゃいます。寒い時期は血圧のコントロールが難しくなることを認識して生活習慣を引き締める必要があり、前回もお示しした通り下記の生活習慣是正項目の目標値をご参照ください。

 

 

 

病気の予防や運動に興味がある方や運動処方をご希望の方は是非心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

次回はこの時期に多い『ヒートショック』についてというテーマでお話しさせて頂きます。

あなたにとってベストなリハビリテーションプログラムを提供します。皆様からの質問についてお答えしたいと思いますので、ご質問がある方は是非ご連絡いただけると幸いです。