こんにちは。管理栄養士の嶌田です。

今回は前回の続きでアルコールと循環器疾患の関係についてお話ししていこうと思います。

前回「節度ある適度な飲酒」として、1日の平均純アルコール量は約20g程度であるというお話をしました。

前回のおさらいになりますが計算方法としては、「容量」×「アルコール濃度」×「アルコール比重(0.8)」で、純アルコール量ができます。 比重とは、同じ体積の水の重さとの比を意味し、アルコールは水より軽いため0.8をかけます。

では、実際に計算してみましょう。

5%の缶ビール(350ml)を2本飲みます。は700ml、アルコール濃度は5%なので0.05かけ、アルコール比重として0.8かけます。容量は700×0.05×0.8で28gとなります。計算は簡単にできますのでお酒を飲むときはぜひ、純アルコール量に出してみましょう。

それ以上のアルコールを摂取すると、循環器にどんな影響が出るでしょうか。

アルコールを摂取することにより、一時的に血圧が低くなり心拍数が増加します。この心拍数の増加を動悸と感じることが多くあります。心拍数が増加することで、心臓の仕事量が増えたり、心臓が拡張する時間が短くなり、心臓から送り出される血液の量が低下します。心臓から送り出される血液の量が低下すると狭心症発作や心不全を誘発する危険性が高まります。また、心房細動などの不整脈を誘発する危険性も高まると言われています。

長期的な多量飲酒を続けると、アルコール性心筋症という心機能障害を生じることがあるとされています。また、多量の飲酒習慣がある人は、飲酒習慣がない人に比べ血圧が上昇します。高血圧は心筋梗塞のような虚血性心疾患の危険因子の一つであり、多量の飲酒習慣がある人は虚血性心疾患のリスクが高くなりやすいと考えられます。

過剰なアルコール摂取による循環器疾患に対する影響についてお話してきましたが、適度な飲酒は心筋梗塞などの虚血性心疾患の発症リスクを下げるとされています。アルコールは摂取量によって良い物にも悪い物にもなり得ます。健康な生活を送るためにも、普段のアルコールの摂取量を一度見直してみましょう。

 

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また、皆様からの質問についてはいかがかと思いますので、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。