こんにちは、理学療法士の久世です。少しずつ日中は暖かい日が増えてきました。今まで寒くてなかなか動けなかった方は運動を始めやすい季節ですので、軽い散歩から始めてみてはいかがでしょうか?

今回は前回お話しした通り『フレイル』についてお話しさせていただきます。

フレイルという言葉はあまり聴き慣れないかもしれません。わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことであり、『虚弱』の状態を意味しています。

もう少し詳しく解説すると、このフレイルについて厚生労働省は「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」とされております。

要するに健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間の状態を意味しています。

多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっており、できる限り早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。また、高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす可能性があります。

フレイル状態になるとどのようなことが起きるかや基準についてわかりやすくまとめます。

それでは、フレイル状態に至るとどうなるのでしょうか?

フレイルの状態になると、死亡率の上昇や身体能力の低下が起きます。また、病気にかかりやすくなったり、入院するなど、ストレスに弱い状態になります。それに伴ってだんだん体が弱っていくことで、要介護の状態や寝たきりになってしまう可能性もあります。

しかし、フレイルの状態に、家族や医療者が早く気付き対応することができれば、フレイルの状態から健常に近い状態へ改善したり、要介護状態に至る可能性を減らせる可能性もあります。

フレイルかどうか判定するために簡単なスクリーニングの検査が用いられています。皆様も下記の項目に該当しないか確認してみましょう。

3項目以上該当する場合はフレイルの可能性がありますので注意が必要です。

具体的なフレイルへの介入方法に関しては、次回「フレイルの予防」をお話しさせていただきます。

病気の予防や運動に興味がある方や運動処方をご希望の方はぜひ心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

あなたにとってベストなリハビリテーションプログラムを提供します。皆様からの質問については分かりにくいと思いますので、ご質問がある方は是非ご連絡いただけると幸いです。