こんにちは。理学療法士の久世です。今年は特に夏の暑さが厳しく、皆様体調いかがでしょうか?以前のブログにも書いた熱中症に気をつけてお過ごしいただきたいと思います。

今回は『サルコペニア』についてお話したいと思います。

サルコペニアという言葉もまた聞き慣れない言葉と思いますが、フレイルやロコモティブシンドロームと同じように近年問題となっている病気の一つであり、フレイルやロコモティブシンドロームの中核部分とされています。

サルコペニアとは、加齢に伴って筋肉量や筋力が減少する現象を指します。特に高齢者に多く見られ、身体機能の低下や転倒リスクの増加に繋がることがあります。サルコペニアは、運動不足、栄養不良、加齢によるホルモンの変化などが原因とされています。

サルコペニアと心臓の関係は非常に密接であると言われており、相互に影響を及ぼすことがあります。ではどのように関係するかということですが、以下のようなことが言われております。

1. 心臓機能とサルコペニアの関係

心臓は血液を全身に供給するポンプの役割を果たしており、筋肉への酸素や栄養素の供給を担っています。心臓の機能が低下すると、筋肉への十分な血流が妨げられ、サルコペニアの進行を助長する可能性があります。

心不全や心臓病の患者は、特にサルコペニアを発症しやすく、筋力の低下がさらに身体機能を低下させ、心臓病の管理が難しくなることがあります。

2. サルコペニアが心臓に与える影響

サルコペニアは、身体活動の低下を引き起こし、これが心臓の負担を増加させることがあります。筋力が低下すると、日常的な動作でも心臓に負担がかかりやすくなります。

筋肉が衰えると基礎代謝が低下し、肥満やインスリン抵抗性が進行しやすくなります。これにより、心血管リスクが高まり、心臓病のリスクも増加します。

3. 共通のリスク要因

サルコペニアと心臓病は、共通のリスク要因を持っています。例えば、加齢、運動不足、不適切な栄養、慢性炎症などが、両方の状態の発症に関与しています。

サルコペニアと心臓の健康は相互に関連しており、一方を管理することで他方のリスクも軽減することができます。

「もう歳だから」と患者様からよく耳にすることがあります。しかし、筋肉はいくつになっても改善すると言われており、放っておくと心臓病を悪くしてしまうかもしれません。

次回は『サルコペニアの予防』についてお話したい思います。

理学療法士はあなたにとってベストな運動プログラムを提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。