こんにちは。理学療法士の久世です。今年は特に夏の暑さが厳しく、皆様体調いかがでしょうか?以前のブログにも書いた熱中症に気をつけてお過ごしいただきたいと思います。

今回は『サルコペニア』についてお話したいと思います。

サルコペニアという言葉もまた聞き慣れない言葉と思いますが、フレイルやロコモティブシンドロームと同じように近年問題となっている病気の一つであり、フレイルやロコモティブシンドロームの中核部分とされています。

高齢者におけるサルコペニアの影響は多岐にわたります。主な影響は以下の通りです。

①筋力の低下: 筋肉量が減少することで、日常生活の動作(歩行、立ち上がり、階段の昇降など)が困難になります。

②転倒のリスク増加: 筋力の低下によりバランスが悪くなり、転倒のリスクが高まります。転倒は骨折やその他の怪我を引き起こす可能性があります。

③自立度の低下: 日常生活に必要な動作が難しくなり、最終的には自立した生活が困難になることがあります。

④生活の質の低下: 身体的な活動が制限されることで、社会的な活動や趣味を楽しむ機会が減少し、生活の質が低下します。

⑤健康状態の悪化: サルコペニアは他の健康問題(心血管疾患、糖尿病、認知症など)と関連しており、全体的な健康状態に悪影響を及ぼすことがあります。

⑥死亡リスクの増加: 研究によって、サルコペニアは高齢者の死亡リスクを増加させる要因となることが示されています。

では、自分がサルコペニアかどうか調べるための簡便な方法をお伝えします。それはふくらはぎの周囲の長さを測る「指輪っかテスト」という簡単な検査法により自分でチェックすることができます。

ふくらはぎの一番太い部分が、両手の親指と人差し指で作った輪よりも小さく隙間ができれば、サルコペニアである可能性が高いと考えられます。指輪っかテストでは、体格にある程度比例する手の大きさを用いることで、ふくらはぎの筋肉量が体格に比べて維持されているかを自己評価できます。

日本の高齢者を対象とした研究では、指輪っかテストで隙間ができる方は、サルコペニアの有病率が高くなることがわかっています。隙間ができる方では、サルコペニアの危険度がなんと6.6倍多く、2年間で新たにサルコペニアを発症するリスクが3.4倍高くなる結果が示されています。

ルコペニアを予防するための基本はやはり運動と食事です。

今回は自宅でもできる予防法のポイントをご紹介いたしますので、無理なく少しずつ進めていきましょう。

①座っている時間を減らす

実は立っているだけでも筋力は鍛えられます。1日のスケジュールを見直し、自分でルールを決めて工夫してみましょう。

②筋力トレーニングをする

たとえ高齢だからと言って筋肉がつかないわけではありません。こちらの運動を参考に毎日取り組むことが重要です。

③+アルファのタンパク質を摂る

年齢を重ねると、栄養の吸収は若い人に比べて悪くなりますが、タンパク質は筋肉をつくる上で大切な栄養素です。なかなかお肉などたくさん食べられない方は今の食事にちょっと納豆や豆腐、牛乳やヨーグルトなどをプラスするだけでタンパク質を摂ることができます。

理学療法士はあなたにとってベストな運動プログラムを提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。