こんにちは。理学療法士の久世です。皆様体調いかがでしょうか?少しづつ日中は暖かい日が増えてきましたが、朝晩はまだまだ寒い日が続きそうですので体調の変化に気をつけてください。

寒い時期なかなか運動できないと言った声をたくさん聞いたため、そろそろ暖かくなり、運動が始めやすい時期になっていきます。

前回は心不全患者様に対する安静についてお伝えしたため、今回は心不全患者様の運動についてお伝えしたいと思います。

前回お伝えしたとおり、現在は心不全患者様に対する運動療法は、適切に行うことで多くの有益な効果が期待できることが報告されております。主な効果として以下のようなものがあります。

1. 心血管系への効果

 心拍出量(心臓が送り出す血液量)の改善や血管の拡張機能の向上(血流の改善)、心臓の負担を軽減する自律神経の調整(交感神経と副交感神経のバランス改善)があります。

2. 運動耐容能(持久力)の向上

 筋肉のエネルギー代謝効率の向上し、乳酸の産生を抑えることで疲労しにくくなります。

3. 筋肉・骨格系への効果

 骨格筋の萎縮を防ぎ、筋力を維持・向上により筋肉の酸素利用効率を改善し、動作の負担を軽減させます。

4. 生活の質(QOL)の向上

 息切れや倦怠感の軽減、精神的な健康の改善(うつ症状の軽減、不安の減少)することで自立した生活を維持しやすくなります。

5. 死亡率・再入院率の低下

 運動を継続することで心不全の進行を抑制や心血管イベント(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクを低減させます。

O’Connor CM, et al ; HF-ACTION Investigators. Efficacy and safety of exercise training in patients with chronic heart failure: HF-ACTION randomized controlled trial. JAMA. 2009 Apr 8;301(14):1439-50.

運動には様々な効果がありますが、適切に行うことが重要です。せっかく良いことをしているつもりが自分に合っていない強度の運動や内容では思うような効果が得られません。

外来リハビリテーションではこういった方々に対して我々は個別の運動指導を行い、その方の目標を一緒に達成できることを支援しています。

理学療法士はあなたにとってベストな運動プログラムを提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。