こんにちは。理学療法士の久世です。皆様体調いかがでしょうか?桜の花びらは早くも散り始めておりますがお花見はもう行枯れましたでしょうか?
前回に引き続き今回も心不全患者様の心臓の機能についてお伝えしたいと思います。今回はズバリ、運動以外でも心臓の機能を改善させるのかについて紐解いてみたいと思います。
前回お伝えしたおさらいですが心臓の機能の指標の1つに左室駆出率(LVEF:Left Ventricular Ejection Fraction)といったものがあります。わかりやすくいうと、心臓の左側(左心室)が1回の拍動でどれくらいの血液を全身に送り出せているかを示す数値です。
具体的には、左心室にたまった血液のうち、何%が拍出(送り出し)されるかを表します。通常、50~70%が正常範囲とされています。
何らかの病気によってこの機能が落ちてしまうことでさまざまな影響を及ぼします。これらを改善させるために運動療法を前回お薦めいたしましたが、他にも機能を改善させる術はあるのでしょうか?
その答えの1つに内服治療による効果があります。現在、心不全患者様に対する新しい治療薬も出てきており、しっかりと内服することで心臓の機能が改善することが報告されています。

European Heart Journal (2024) 45, 2771–2781
こちらの図のように心臓の機能が35%未満の方において患者様に最適な薬物療法が行われた場合は3ヶ月で約半数が、1年後には4人に3人は35%を上回ると報告されており、心臓の機能が薬物療法において改善することがわかります。
「じゃあ、お薬だけ飲んでいれば大丈夫!」
と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、実は間違いです。
しっかりと病気の管理を行った上で薬物療法が奏功するということですので、普段から血圧測定や体重管理、食生活や運動などをしっかり行うことでこれらの効果がより期待できます。
つまり、適切な運動、食事、生活習慣の見直しが心不全予防に役立つため、医師の指導のもとで継続することが大切です!
外来リハビリテーションではこういった方々に対して我々は個別の運動指導を行い、その方の目標を一緒に達成できることを支援しています。
理学療法士はあなたにとってベストな運動プログラムを提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。
また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。