COVID19が猛威を振るい、現在も日本のみでなく世界でウイルスとの戦いが続いてる中、2021年を迎えました。2009年2月5日に開院してから、今年で岐阜ハートセンターは13年目を迎えます。

岐阜ハートセンターの理念は“Safety” “Speciality and Science” “Spirit” “System” の4つのSです。すなわち、やさしさを医療の中心に考えた、何よりも安全な医療の提供に努めること、確かな技術の提供と情報発信に努めること、こころあたたまるケアを実感していただけるよう接遇に努めること、そして24時間365日絶対にお断わりしない体制作りに努めることであります。開院当初に誓った”循環器救急診療の最後の砦になる”“ことわらない、あきらめない、ここには岐阜ハートセンターがある”この熱い気持ちに職員全員が原点回帰する1年にしたいと思います。

岐阜ハートセンターが目指す循環器専門病院とは、1.正確な診断を行うこと、2.治療適応をきちんと吟味すること、3.手術、手技を的確に行うこと、4.長期予後改善につなげる術後管理、これらの過程すべての質をあげることを目標としています。

このような考え方から、2015年1月には新病棟が本格的に稼働を開始しました。CCU、一般病棟が増床し、リハビリテーションの拡充も終了しました。また心エコー室の拡張、心臓核医学の導入も完了しました。これらの拡張は、急性期疾患の受け入れ態勢の拡充、そして慢性心不全や重症下肢虚血に対する対応など急性期から慢性期を見据えた社会復帰を可能とするシステム整備と言い換えることができます。提供できる医療の質をより高め、高いレベルでの循環器疾患の診断と治療、そして社会復帰促進ができる施設を目指すことが我々の使命であります。急性期医療に関しては、24時間体制で循環器専門医による迅速な対応を行っています。またカテーテルアブレーションをはじめとした不整脈治療、構造的心疾患に対するカテーテル治療、外科治療を含めた包括的治療もより高いレベルを目指しています。麻酔科、形成外科が新設されたのも、重症患者様の治療、術後管理、重症下肢虚血に対する治療レベルの向上を目指したものです。また心臓リハビリテーションは名古屋大学 山田純生教授の御指導のもと、質の高い心臓リハビリテーション治療が導入されています。

近年、循環器診療においてチーム医療の重要性が高まっています。心臓弁膜症、心筋症などの構造的心疾患治療や慢性心不全治療、重症下肢虚血に対する治療など、外科・内科の垣根がなくなるとともに、Co-medicalとの連携が大変重要となってきます。チーム医療とは、“医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること“と定義されています。大切なことは“高い専門性“を常に意識することです。毎日の繰り返される業務の中で忙しさにまぎれることなく、”常に高見を考える“という姿勢で職員全体が取り組み、一人でも多くの患者様の笑顔を見ることができるように精進していきたいと思います。

2021年はコロナウイルスの蔓延により、医療の崩壊が心配されています。循環器救急の最後の砦として機能し続けるために、職員一同、今年も一致団結して頑張っていきたいと思います。

2021年1月吉日  岐阜ハートセンター 院長

                       松尾 仁司