大動脈弁狭窄症に対する治療法として、従来の開胸手術に加え2013年10月より経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI、”タビ“)が日本でも施行可能となり、その経験の蓄積とともに多くの患者様が治療の対象となってきております。

しかし、慢性腎不全によって透析治療を受けている患者様は、高度の動脈硬化を有していることが多く、併存疾患などもあり重症であることから、海外での治療成績も不良のため、保険適応の対象外となっておりました。

一方、日本における慢性腎不全に対する透析医療(人工腎臓)は、世界と比較し、患者数も多く(人口100万人あたり2535 人、アメリカは1430人、ドイツは1070人(2016年統計))、保険制度や治療が充実したこともあり、生命予後(寿命)が長いとも言われております。

上記のような日本の状況から、国内で慎重に調査が行われ、大動脈弁狭窄症を患っている透析患者様にも経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI)の保険適応が認可されました。

しかし透析患者様は動脈硬化など非透析患者様と比較して重症な患者様が多いことから、一定の基準を満たした治療経験が豊富な病院(TAVI治療の指導施設もしくはプロクター在籍の専門施設)から開始することとなりました。

当院ではがプロクター(心臓血管外科小山部長)が在籍していることから、専門施設の認定を受け、岐阜県下で唯一の施設(東海3県では系列病院である豊橋ハートセンター、名古屋ハートセンターについで3施設目)になりました。

これまでの開胸手術も含めて選択肢が増えたことは、患者様にとっても朗報です。治療法にはそれぞれの利点・欠点があります。患者様ひとりひとりにとって、最適な治療法を提案しますので、相談しながら治療法を決めて、早期回復を目指しましょう。

心臓血管外科 部長 小山 裕