VenaSealクロージャ―システム(血管内塞栓術)は、2019年12月に国内に認可され保険適応された新しい治療法です。当院では、2020年9月から開始いたします。(予約はすでに開始しています)。この方法は、現在、愛知県で4カ所。岐阜県では当院1カ所のみで施行しています。
膝内側の刺入部に局所麻酔を行った後、同部位から静脈内に細い管を挿入し、血管の中へ接着剤を注入し、閉塞させる方法です。
従来の下肢静脈瘤の血管内血管内焼灼(レーザー治療、ラジオ波治療)に比べて、多くの利点があります。
- 熱を伴わないため痛みややけどが起こらない。
- 血管周囲の局所麻酔薬を使用する必要がない。
- 術後弾性ストッキングを必要としない。
- 中止薬なし。
注)静脈瘤の場所・形態により、血管内塞栓術に適しない場合がございます。
また、以下の場合は、この治療法は適しません。
- 深部静脈血栓の既往
- シアノアクリレートヘのアレルギー
- 複数のアレルギー
- アレルギー薬服用中
- 膠原病
- 肉芽腫
手技の流れ
静脈内へカテーテルを挿入します
カテーテルから糊を押し出します
糊が、静脈内で血液と凝固します
エコーガイド下に、手技を行います
挿入部に絆創膏を貼り終了です
資料提供:コビディエンジャパン株式会社
手術スケジュール
- 手術当日、手術時刻1時間前に入院、準備を行います。1-2か所の局所麻酔で行います。痛いかどうか多くの患者さまが心配されますが、局所麻酔の注射(腕の採血程度)を過ぎれば、それ以上に痛みはありません。リラックスしていただくために、ご希望の音楽を流しています。例)80才女性、美空ひばり。55才女性、ユーミン。30才男性、米津玄師など。お話ししながら、手技を進めます。
- 片足であれば30分―1時間程度で終了します。
- 病棟で30分安静後歩行していただき、問題ないことを確認し、ご帰宅いただきます。帰宅後は、安静にする必要はなく、通常どおり生活していただきます。大事をとって安静にしておくとかえって、余分に深部静脈血栓などができることがございます。翌日、創部観察し問題がないことをご確認いただきます。この翌日、御自分だけで創部観察することに不安を感じます方は、1泊2日で行います。その場合、手術の翌朝スタッフが介助します。手術から2日後夜からシャワーを許可します。
- 約1週間後外来受診し、超音波検査で問題なければ外来通院は終了です。この際、もう一度、CT画像を用いながら、実際どのような手術を行ったのか説明します。入浴(風呂)を許可します。
- 一般的に治療された静脈は閉塞し、6か月から1年かけて、無くなります。それまで、ツッパリ感、ごろごろ感はしばらく残ることがあります。静脈瘤が6か月後以降に症状が気になる場合、再評価します。
術後制限
- ジョギングなど軽い運動、仕事は、翌日から可。
- 激しい運動(マラソン、登山、ウエイトトレーニング)は7日間禁止。
- シャワーは、2日後夜から可。入浴は次回外来にて評価します。