栄養とは生物が生命を維持し、生活してゆく為に、体外から適当な物質をとりいれ、からだを成長させ、機能を保ち、エネルギーを得る事です。
NST(栄養サポートチーム 以下NSTとする)活動とは、主に食事をしっかり食べられず栄養が十分に摂れていない患者様を対象に、医師、管理栄養士をはじめ、看護師、薬剤師、臨床検査技師が協力し合いチームとなって患者様の栄養管理が良好に保たれることを目的に活動していくことです。
現代医療において、適切な栄養状態を維持できれば、病気の治りも早いうえに、院内感染も予防でき、何よりも患者様が元気になると言われています。患者様に最もふさわしい方法で栄養状態を良好に保つことを目的とする栄養チームは、その成果を発揮しています。
病気や手術の為に十分な食事が摂れない患者様に最も適切な栄養補給方法の提案や、病気の回復や合併症の予防に有用な栄養管理方法の提案などを行っています。たとえ短期の入院であっても、患者様に最適な食事や栄養補給方法を提供することは、退院後の食生活や栄養管理の改善にもつながっています。食べる為の機能が悪くなると、口から食べ物を食べることができなくなります。摂食(食べること)・嚥下(飲み込むこと)の障害は、窒息や肺炎、低栄養などの生命の危険に直接的に結びつくばかりか、食べる楽しみという人間の基本的な欲求や生活の質にも関わります。私たちは食事をおいしく安全に食べて頂くために、栄養状態、食事の状態、口腔内の状態を評価し、治療や訓練を行うことで、食べる機能の回復を促します。肺炎を防止するために、食べる前に口腔ケアを行うよう呼びかけます。そのような適切な栄養管理を行う事でQOLの向上及び医療の質の向上につなげます。
私たちは「いつまでも自分の口で味わって食べたい」をあきらめません
当院では入院時や抜管後には嚥下評価フローチャートを使って、嚥下状態を判定し早期の関節訓練(パタカラ運動、首運動)を同時におこない、嚥下機能低下予防に努めています。誤嚥しないよう、確実に嚥下できるよう介助を行い、安全に口から食べれるように支援しています。もともと食事が摂れず、嚥下機能が低下している方でも、今では口から食事が食べられ、元気になられて退院されています。
高齢患者様の嚥下機能は日々低下していますが、嚥下機能の低下をあきらめてしまってはなりません。
私たち岐阜ハートセンターNSTチームは、嚥下評価を行う歯科医師と共に機能低下予防について考え、早期に機能訓練を開始し、口から食べる事をあきらめない患者様の想いに寄り添ってサポートします。