皆さん、こんにちは。外来看護師の坂井田です。
当院のあし外来に受診される患者様の多くは、慢性静脈不全や廃用症候群等によるむくみや冷えなど、あしのトラブルに悩んで来院されます。血液の巡りが悪くなり症状が進むと、皮膚の色が悪くなったり細胞に栄養が行きわたらず皮膚が傷つきやすくなることもあります。
このようなあしの症状には、運動療法(ストレッチ・歩行)、圧迫療法(弾性ストッキング・筒状包帯)、マッサージなどが有効です。
医師からの依頼があれば、外来看護師がその患者さまに必要な以下のフットケア指導を行います。
- ストレッチ、筋力アップ、マッサージ
- 靴(履き方・選び方)
- 歩行(正しい歩き方・歩数)
- 保湿の仕方
- 圧迫療法(弾性ストッキング・筒状包帯の選択)
専用のパンフレットを用いた指導や実際に足のストレッチを体験していただくことで、効果的にあしの血液の巡りを良くする方法を実感して頂いています。
また、今年度より、患者さんへの啓発活動として、フットケア通信の掲示をしています。1年を通じて季節に応じたフットケアを掲載していきますので、ぜひご覧ください。
今後、診察や検査の待ち時間にご覧いただけるよう、あしのストレッチ動画の作成も検討もしています。
「あしは第2の心臓」。毎日しっかりあしの筋肉を使うことで、血流が良くなり全身に影響を与えるとともに、体の土台であるあしを足元から整え、自分のあしで元気に歩き続けるためにも「フットケア」は大変重要なケアです。
まずは、自分のあしに関心をもつことから始めましょう。
<ある日の外来フットケア指導〜あし外来の風景〜>
先日、50代女性の慢性静脈不全の患者さまが、「両あしの親指の外側にタコができて痛く、長く歩いているとあしが疲れやすいので、何とかならないか」と当院を受診されました。普段の靴の履き方について伺うと、「靴を簡単に脱ぎ履きできるよう、いつも靴ひもはゆるめにして履いている」と言われました。
しかし、「靴ひもはゆるめにして履く」のは間違った履き方です。どんな良い靴をはいていても、しっかり靴紐を締めて正しく履かないとタコや魚の目、あしが疲れやすいなどのあしのトラブルを招きやすいことをお伝えしました。私からのアドバイスを意識して、患者さまが椅子に座って踵トントンでしっかり靴ひもを締めて履き直したところ「あしが安定しています。」「しっかり紐を結ぶと、靴の中で足が動かないことで、こんなに足元が安定するんですね。」と、足元が安定することにより、立位・歩行時のバランスも整うということを実感していただきました。