3階病棟看護師
お医者さんから診察後に「じゃあ、入院して治療しましょう」と言われた場合、入院となると自宅での生活から一変します。実際入院した患者様からは、「今日は入院すると思わなかったから何の準備もしてないわ。どうしよう。」と戸惑う声を聞きます。
病院で入院することは患者様や家族にとって身体的、社会的、精神的な変化を及ぼし、環境が変わることで入院に対する不安やストレスを感じる事はよくあると思います。「治療を終えて早く退院したい」と思っても病気の経過によってはすぐに家に帰れないということがあります。入院が長くなればなるほど、筋力低下が起こり、自宅に帰ることが困難となります。このような場合に、患者様は退院後にどのように過ごしたいかを伺い、退院調整を行っています。自宅に帰りたい患者様に対しては身体・社会面からみて退院後の生活をイメージし、自宅に帰った後に困らないかどうか検討して、必要な支援提供を当院医療スタッフで話し合い調整を進めています。
~医療が必要な場合でも自宅で過ごすことができる~
当院では【在宅で過ごされる患者様の実際を学ぶ】という目的で、2年ほど前より他の施設において訪問看護研修を行っています。実際に自宅で過ごされている方のもとを訪れ、自宅でどのように過ごされているかを学ぶことができました。私は、慢性疾患の終末期患者様の御家族が自宅で過ごさせてあげたいと願う場面を何度か見てきました。自宅で過ごされた事で、「多くの方々に会うことができた」、「家でご飯も食べることができて良かった」という声を聞くことができました。自宅でゆっくり過ごせたことは患者様や御家族にもかけがえのない時間を過ごせたのではないかと感じています。退院調整については、医師・理学療法士・医療ソーシャルワーカー・看護師・薬剤師・管理栄養士でカンファレンスを開催して調整をしています。その人らしい生き方を支援するために、病態や治療の観点のみでその人を看るのではなく、患者様や御家族の意思を尊重して、個々の思いに沿った看護提供できるように意識しています。