2階病棟 看護師

岐阜ハートセンターの集中治療室では心臓血管外科の術後や心筋梗塞、重症心不全等の患者様を受け入れています。2年前に私は当院の集中治療室に配属されました。それまでは、総合病院の一般病棟に勤務しており、集中治療室でやっていけるか、そんな不安がありました。それは私の中で重症患者様が多く入院しており、一刻を争う緊迫した雰囲気が流れている、そんなイメージが大きかったからです。しかし当院は「患者様の心に寄り添う事」を大切にし、集中治療を受けながらいかに日常生活に近づけるかについて考え、看護を提供しています。時には緊迫した状況もありますが、一人ひとりと向き合う時間が多く、当初抱いていたイメージとは異なりました。

集中治療室には重症患者様が多くおり、時にはここで最期を迎える患者様もいらっしゃいます。ご家族に病状を連絡するタイミングはとても難しく、急変して最期に間に合わないご家族もいらっしゃいます。その中で印象深い患者様がいらっしゃいました。その患者様は長く入院しており、医師からも長くないと説明を受けていた為、できるだけ面会をし、ご家族との最期の時間を作っていただきました。その患者様の旦那様はたまたま当院の一般病棟に入院しており、お互いの体調を考慮して何回か会うことが出来ました。患者様はよく旦那様のお名前を仰っていたため、面会した時のお二人の笑顔がとても素敵でした。そして最期の時、「今までありがとう。来世でも夫婦になりましょう。」と旦那様が患者様に声をかけられていました。旦那様がかけられた言葉、その時の二人の姿が目に焼きつき、忘れることが出来ません。

現在新型コロナウイルス感染症にて面会制限を行っています。その為、ご家族とは中々面会をすることが出来ません。病気を患っている患者様にとって、家族に会えない、声が聴けない環境はとても不安に感じます。またご家族も同様です。だからこそ患者様やご家族に寄り添い、少ない面会制限の中でどのように関わっていくのかを丁寧に考えています。医師に病状説明を依頼したり、集中治療室で行っている電話面会(面会が出来ない代わりにその日に行った看護を毎日電話で報告し、患者様とご家族で話していただく)の時間を大切にしています。患者様、ご家族に寄り添い、安心して集中治療を受け、自分らしい生活に戻れるように、これからも最善の看護を提供していきたいと思います。