手術室看護師
今回は当院の手術室看護師が患者様と関わる際に大切にしていることをお伝えしますので、少しでも私たちの思いを知っていただけたら嬉しく思います。
初めに、突然ですがもしも貴方が心臓手術を受けなければならない、ということが決まったらどのように感じるのでしょうか。また、これまで手術を受けたことがある方はどのような思いで手術室に入られたか覚えていますか?きっと「手術で身体を切られるのはとても怖い・・・。」「どんなことをされるのか想像もつかない」といった漠然とした恐怖や不安が大きかったと思います。私たち手術室看護師は、そのような患者さんの不安を少しでも和らげ、安心して手術に臨んでもらえるように様々な取り組みをしています。その一つに「術前訪問」というものがあります。これは手術前日に手術室看護師が患者様の病室へ伺いお話を聞かせてもらうものです。術前訪問を行うことのメリットの一つとして、手術室看護師と患者様が対面を済ませておくことで信頼関係を構築できるということがあります。手術を受けられる患者様にとって、手術室という場所は最も緊張感を感じる場所でもあります。そのような場所に入る際、病棟でいつも関わっている看護師ではなく、初対面の多くの医療従事者に囲まれることは、患者様の緊張や不安をさらに助長させることにもつながると思います。しかし、手術室で一人でも前日に会ったことがある、声を聞いたことがある看護師がいれば、それだけでも患者様の安心するのではないかと思います。私たちは手術当日の患者様を、直接手術室看護師が病室までお迎えに行き、一緒に手術室に入室するようにしています。緊張や不安なく手術を受けられる人はほとんどいないと思いますので、手術で不安なこと、分からないことがありましたらいつでも私たちを頼ってください。
次に手術中の私たちが実施していることを少しお話します。心臓手術を受けるときには全身麻酔、いわゆる「寝ている間に手術が終わっている」という麻酔が必要となります。全身麻酔をした患者様は意識がなく、自分で身体を動かすことができなくなってしまいます。そのため医療器具が直接肌に触れないようクッションを当て、皮膚を保護するお薬を使用して、皮膚トラブル予防をしています。
最後に、術後訪問についてお話します。手術を乗り越えた患者様は順調であれば早期の退院に向けてリハビリが始まります。私たちは手術後の患者様の病室にも直接伺い、術後の経過や悩んでいることがないか患者様の思いに寄り添いお話を聞かせていただいています。病棟の看護師や医師、コメディカルとも連携し、患者様が入院前の日常生活に戻ることができるようサポートしています。
心臓手術は患者様本人にとっても、ご家族様にとっても人生の中で大きなイベントとなります。一緒に乗り越えられるよう私たちは精一杯支援いたします。