4階病棟看護師

呼吸サポートチームの紹介

当院では平成23年に、より安全で安心な呼吸の治療を目指し、呼吸サポートチーム(以下respiratory support team:RST)が発足しました。入院している患者様に対して、安全で効果的な酸素の投与方法や、呼吸を手助けしてくれる機器の使用方法、呼吸のリハビリ方法などについて、助言並びに適切な管理をおこない、治療の効果を高めて、入院期間を短くできるようにすることを目的として活動しています。

発足時のメンバーは循環器内科・外科医師、看護師、臨床工学技士で活動をおこなっていましたが、徐々にメンバーも増え、現在では循環器内科・外科医師、看護師、臨床工学技士、理学療法士、特定行為看護師からなるメンバーが、それぞれの得意分野をサポートし合い活動しています。

主な活動内容は、それぞれの病棟で働いている看護師に向けて、勉強会を開催しています。「呼吸とは何か・肺はどうやってできているのか」といった初歩的な内容から、「呼吸が停止してしまった患者様への対応方法」や、「注意しなければいけない肺の音・症状に応じて楽に呼吸ができる体勢について」などの勉強会も開催しています。その他にも、呼吸のリハビリを進めるにあたり、どんな方法で呼吸を行えば効果的な呼吸ができるのかといった相談に対して、息を吸うのではなく吐くことを意識して呼吸をすることや、ベッドに寝てばかりではなく、椅子などに座るだけでも、肺が広がりやすくなり呼吸がしやすくなることを伝えたりしています。

現在使用している呼吸を手助けしてくれる機器や物品の検討・見直しもおこなっています。医療は日進月歩と言われているため、呼吸を手助けしてくれる機器や物品も日々進化しています。酸素を体に取り込むためのマスク(以下:酸素マスク)も以前は、自分の吐いた息が外に出にくい構造となっており、酸素マスクを長時間かけて着用することが、とても不快に感じる患者様も多くいました。そこで、新しく開発された、穴の開いた酸素マスクを導入することとしました。穴が開いていることで自分の吐いた息が外に出やすくなり、長時間かけて着用することを不快に感じる患者様も少なくなりました。より安全で安心な機器や物品を使用できるように、今後も機器や物品の検討・見直しを行っていきます。

2023年度の活動として、4月よりRSTメンバーが患者様の所へ直接赴き、安全で安心な呼吸の治療ができているか確認しています。月~金曜日の8時50分から、集中治療室で行っており、呼吸の回数や肺の音、胸のレントゲンや採血結果を確認して、現在行われている呼吸の治療について、助言できることがあれば主治医や担当の看護師に伝えています。RSTメンバーが呼吸で苦しむ患者様のところに赴くことで、より早く関わることができ、呼吸への治療の質を向上させることに繋がると考えています。