特定行為実践看護師 八田大
2020年10月から、岐阜ハートセンターでは「特定行為実践看護師」という名称の看護師が活動しています。特定行為実践看護師は国の施策として、特定行為と呼ばれる一部の行為を実施する事も含め、思考力や判断力、知識や技能の向上を図ることを目的とした、特定行為研修を修了した看護師を指す当院での名称です。特定行為実践看護師にはより広い視点で患者様をみて、特定行為を含めたタイムリーな対応をする事などで患者様の力となることが求められています。現在当院では手術室、一般病棟、集中治療室にそれぞれ1名ずつ、計3名の特定行為実践看護師が活動を行っています。今回は、特定行為実践看護師がそれぞれの部署でどのような活動を行っているのかを紹介させていただきます。
私は集中治療室で活動を行っている特定行為実践看護師です。集中治療室は主に救急車で運ばれてきた患者様や手術直後の患者様を受け入れ、集中治療の中で患者様の回復を目指した看護を提供する場所になります。集中治療という特性上、時として処置など行わなければならないことが重なる場面があります。そのような時に医師と協働し、医師が処置を行う事と並行して別の処置を行い、患者様が必要な処置を必要なタイミングで受けることができるように支援を行っています。緊急の場面以外にも、手術中にチューブ類を挿入し、回復過程で不要となった際に、医師の指示のもと整理を行い、人工呼吸器が患者様の現在の状態に最適か判断し必要に応じて医師と協議し設定変更をさせていただいています。これらの支援を行うことで、患者様の苦痛が少しでも和らぐのではないかと考えています。
また、研修中や現場で学んだことを他看護師に伝えられるよう、部署内教育にも取り組んでいます。新入職員を対象とした集合研修や教育スケジュールパスの人工呼吸器関連のチェック項目に特定行為実践看護師による教育を含む形式にし、段階的に教育の機会を設けることが出来るように体制を整えました。同時に、OJT教育(現場での実践を通じた教育)にも力を入れ、実際に目の前で起きたことに対して何を考え、どこを確認し、どのように対処するかという私自身が考えたことを他看護師と協議し、次回似た場面に遭遇した際によりよい対応をすることができるよう教育を行っています。これらの活動により、人工呼吸器装着患者様の酸素飽和度が低下した際に、経験2年目の看護師も緊急度の判断や原因検索を行い、どこに問題があるかを考えて対応することが出来るようになりました。
特定行為実践看護師の活動はいずれも看護師として最大限患者様の力になるということを目指し行っています。患者様に「岐阜ハートセンターでよかった」と思っていただけるよう、岐阜ハートセンターの医療提供チームの中で、今後も精進していていきたいと思います。