特定行為実践看護師 中島大佑
私は、令和2年9月に特定行為研修を修了しました。その後の卒後トレーニングもスタッフの協力もあり、令和3年4月に無事修了し、本年5月からは特定行為実践看護師として、一般病棟で教育担当を担い「実践」と「教育」という2つの柱で活動しています。
「実践」では、人工呼吸器装着中の患者様の人工呼吸器設定変更などを行い、患者様に合った呼吸器の設定や人工呼吸器離脱の為の管理を実践しています。また、夜間緊急時に患者様の処置が必要になった際に、手順書に基づき特定行為(本来医師しか実施できない行為)を実践することで、医師がその間に他業務を遂行するといったケースを体験しました。
今後、経験を積み実践を重ねていくことで、医療業務の分担による効率化を図り、よりタイムリーな対応ができるよう活動していきたいと思っています。
患者様を「みる」際には、バイタルサイン(血圧や心拍数など)に異常があれば医師に報告するだけではなく、「なぜこのようなことが起こっているのか」「何かいつもと違う」といった「考える力」、「観察する力」が必要となります。また、看護師の目線と医師の目線を合わせ持つことでよりよい看護に繋がると考えています。
「教育」では、これらを養うためにシャドーイング教育(担当看護師と一緒に重症患者様の受け持ち)を行い、術後患者様の全身状態の観察ポイントや検査画像の見方などを後輩看護師に伝えています。また、スタッフの要望に沿った勉強会を開催し、スタッフ間で教えあうことで知識・技術の向上を図っています。
患者様と関わる中で、「先生の免許持っているんですか?」と尋ねられたことがありました。「どうしてですか?」と尋ねると、「何か中島さんやと安心できるで」という言葉を頂いたことがありました。その言葉を聞いた時、特定行為研修を受けてよかったという実感を得ることができ、やりがいを感じることができました。
患者様と多く関わるのは医師よりも看護師であり、患者様の異変にいち早く気づき、早期に対処ができるのも看護師です。私たち看護師は、「病態の理解」「術後の看護」「検査画像の見方」などを知り、看護の視点での「看る」はもちろん医師の視点で「診る」ということの大切さもスタッフに伝えていけたらと思っています。