わたしたち看護補助者は、患者さまの入院生活が少しでも快適になるようお部屋環境を整えたり、退院された患者さまのお部屋を清掃し、次の患者さまが気持ちよく入院できるよう病床環境を整えるお仕事をしています。また治療へのサポートとして食事の配膳や検査搬送、看護師のサポートとして清潔介助や排泄の介助などをしています。

わたしたちは、看護師と共有した情報をもとに患者さま一人一人に合った身の回りのお手伝いをしています。看護師との連携がうまく出来ると、患者さまへの説明や1日の動きを明確に伝えることができるので、患者さまが安心して治療へ取り組むことにつながると考えています。
また私たち看護補助者の患者さまとの関わりは、看護師にもとても影響があると考えています。そのため患者さまやご家族のみなさまと関わるときには、わたしたちの存在や言葉かけが、治療や入院生活に対して少しでも安心して前向きなっていただける心の架け橋となることを心掛けています。

患者さまへの関わりや看護師さんとのコミュニケーションについて考える場面がありました。

配膳では日によって40人近くのお食事をお配りします。その中で、患者さまがご不在であった際は、いったんお預かりしたまますべての患者さまの配膳が終了した後、再度お伺いしていました。この日も患者さまがお部屋にご不在のため、後程確認しようと考えていました。しかし、先にお部屋に戻られた患者さまは、自身の食事が配膳されていないため、看護師へ確認するも10分ほど待たされたことに大変不快に思われ『もういらいない』とお食事を召し上がらなかったということがありました。待たされた10分間を私たちはどう受け止めなければならなかったのか、不安になられない為にどうしたらよかったのかを、その場で担当の看護師が患者さまのところへ行きお気持ちを聴いて下さり、補助者は別の看護師と意見を出し合い、その日のうちに2度と同じ思いをされないためにどうしたら良いかを考えました。そこで出た対策として、お食事をお預かりしているため、お戻りになられたらナースコールでお知らせ頂けるようにお願いするメッセージカードをお部屋に置くというものです。当日看護師と文面を確認して、色合いをどうするか、患者さまが分かりやすく、見やすくするためにはどうしたらよいかと話し合い作成しました。翌日には活用し始め、看護師と看護補助者でチームになり迅速に対応したことを今でも忘れません。

常に患者さまの立場に立ち、考え、思いやりを忘れてはいけないと実感したのと同時に、言葉の重要さや看護師と常に協働しているという意識を再確認する機会となりました。その後、患者さまより入院中の不安や、思うような生活ができないことへの不満が溜まっていたため、感情が抑えられなかったことをお聞きしました。患者さまの本音をお聴きできたように思います。いろいろな思いがあり、様々なことを感じてみえることを、気兼ねなく話していただける存在になりたいとも思いました。

私たちは患者さまや看護師からの依頼に対して、どのようにしたら「よりよい看護補助」を行えるのか、対応するための最善策は何か?を互いに意見を出し合い考えるようにしています。そのときには、より良くしていきたいという姿勢を常に持ち、相手への思いやりの心を言葉に出来る看護補助者を目指すことを心掛けています。
医療現場の中では、看護師さんの姿や先生方の姿を見て頼もしく思うことばかりですが、怖いと思うことも正直ある中で、それでも看護補助者という仕事を続けていける理由の一つに患者さまや看護師から感謝の言葉をいただけることがあるからです。看護補助の仕事をしてきてよかったと思う瞬間です。
優しさや思いやりというものは人それぞれ違いがあります。それぞれの温かい心を持ち寄ることで大きな力となり、患者さまへ少しでも心が温まるサービスができ、それが当院職員全員が等しく持つ「断らない、あきらめない」という医療への姿勢に繋がっているのだと思います。