3階病棟 看護師
私は、看護師として入職し1年が経ちました。コロナ禍で始まった医療現場は、これまで実習などで経験してきた医療現場とは違い、感染対策が患者様に与える影響を強く感じる日々でした。入院された患者様は大切な家族との面会が制限され、病棟からは雑誌や新聞などが撤去され、常にマスクを着用した状態での療養生活を送ることになりました。さらに、私たち看護師もマスクを着用し患者様と関わるため、お互いの表情がしっかりと伝わらないように感じていました。
私が印象に残っているのは、入院期間が数か月に及ぶ治療を行う患者様との関わりでした。その患者様は長期化する入院生活の中で、ストレスが増大し表情から笑顔が消えていました。次第に医療者に対しても拒否的な行動や言動が見られていました。そのため病棟看護師で何度もカンファレンスを行い、可能な範囲での家族面会や食事の持ち込み、担当する看護師の固定をするなど皆で対策を考え実施しました。しかし、病状は良い方向へ向かうことばかりではなく患者様のストレスはなかなか軽減できませんでした。私たち病棟看護師はあきらめずに話し合いを繰り返し、方法を模索しながら関わりを続けました。長く時間を要しましたが、患者様の病状は軽快し、無事に退院を迎えることができました。
入院治療は患者様の協力なしには実現できません。私たち看護師は、患者様の闘病意欲がなくならないように寄り添い支えることが役割の一つだと思います。しかし、看護師一人の考えと努力だけでは、患者様を支えることはできません。多職種とのカンファレンスを繰り返し、患者様のためになることを何度も話し合い、その人にとって何が必要なのか一緒に考え最善の看護を導き出すことが大切だと感じました。感染対策が必要な状況が続いており、未だに終わりが見えません。私は、この限られた環境の中で少しでも患者様に寄り添い支えになれるように、努力し成長していきたいです。