今回の栄養教室は『体の健康は口から~歯に良い食事~』についてお話させて頂きました。

みなさん8020という言葉聞いたことがありますか?8020とは1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上の歯があれば食べられる物の幅も広がり、生涯楽しく充実した食生活を送ることができます。

平成23年度の実態調査では、80歳になっても20本歯を保有している方は、全国で38.3%みえるようです。歯を失う原因の第1位は歯周病です。歯周病は歯の周りの骨が溶け、最終的には歯が抜けてしまう病気です。

そしてこの歯周病はサイレント・ディジーズ(静かなる病気)と呼ばれ、症状がないままに病状が進行してしまう病気でもあります。

痛みや歯の揺れが出て気づくころには重症になることも多く、動脈硬化のリスクを高める可能性があると言われています。

食事では、甘いお菓子やジュース類などをだらだらと食べたり、飲んだりすることは控えて下さい。菓子類には多くの糖が含まれており、そこから産生される酸は歯を溶かします。また口の中に残っていた糖から歯垢を作り出します。

やわらかい食べ物を好んで食べる方もみえますが、そのような食品ばかり食べていますと、あまり噛まずに食べられるので、噛み合わせが悪くなったり、歯と歯の周りへの刺激が減って歯周病の原因となります。よく噛むことで、肥満予防や脳の活性化、唾液の分泌を促進してくれます。唾液は口の健康では欠かせません。食べかすを洗い流したり、細菌に抵抗したり、口の中の乾燥を防いだり、口の中を酸性から中性に変え、歯のエナメル質を修復してくれます。唾液を出すには、運動習慣を作ることや酸味のあるものを食べて刺激すること、禁煙を行うことも大切になります。そして歯に大切な栄養素を摂ることも大事です。カルシウムやビタミンA・D・Cです。牛乳や乳製品、魚、大豆・大豆製品、緑黄色野菜、果物を食べて頂くと良いと思います。

食事だけでなく、セルフケアも大切です。歯垢は食後8時間で作られます。食後のはみがきに加え、1日1回寝る前は時間をかけて1本1本丁寧に磨き、デンタルフロスなどを利用しましょう。