『きょうもラジオは!? 2時6時 』~第76弾~

2023年8月10日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 第76回目の放送です。

本地洋一さん: さて、今回の放送は『第12回ハートの日 in GIFU』のお知らせを含めて番組を進めていきたいと思います。

 

 

その前に、心臓という臓器について復習の意味も含めて働きなどを教えてください。

松尾院長: 8月11日の山の日にじゅうろくプラザで第12回ハートの日 in GIFUというイベントを行います。

メインテーマは家族で心臓病を考えるです。

 

心臓の働き

リスナーの皆様は、心臓が止まってしまうと死んでしまうことから人が生きていく上に非常に重要な臓器であることはご存じだと思います。脳や筋肉、皮膚、骨、内臓といった人を構成している器官は血液から酸素や栄養を得て機能しています。その血液を全身に送り出すポンプの役割をしているのが心臓です。

したがって、ポンプである心臓が停止してしまうと全身の臓器は酸素と栄養を受け取ることが出来なくなってしまうため人は生きていくことが出来ません。

心臓という臓器は大変働き者で、1分間に60~70回のペースで規則的に脈を打って全身に血液を送り出すポンプとして機能しています。

成人になると心臓は1回の拍動で約60ccの血液を全身に送り出しています。1分間に60回の心拍数の方ですと1時間に60回×60分=3600回、1日に3600回×24時間=86,400回、1年間では31,536,000回、90年生きると心臓は一生のうちに28億回以上拍動することになります。

この大切で働き者の臓器の機能が低下した状態を心不全と言います。

心不全とは、「心臓が悪いために、息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気」です。これは、一般向けに分かりやすい言葉で、2017年に日本循環器学会と日本心不全学会によって作られました。現在、日本人の死因第1位はがん、第2位は心臓病、第3位は脳卒中ですが、75歳以上の後期高齢者で比べると、心臓病と脳卒中を合わせた循環器疾患は、がんの死亡者数を年間2万人以上上回り、死亡原因の第1位となっています。

心不全はがんと違って、良くなったり、悪くなったりを繰り返しながら進行し、完治しない病気です。

 

さらに心不全の予後は、5年生存率が50%と、ある種のがんより悪いとされ、長期にわたって寝たきりになるなど、生活の質が著しく低下します。その心不全が近年の高齢化により、ここ数年心不全の患者数が急激に増加している現状に警鐘を鳴らす意味から、「心不全パンデミック」という言葉も生まれ、社会的な問題になると言われています。また、厚生労働省から循環器病対策推進基本計画が打ち出され、循環器病の予防や正しい知識や普及啓発が個別施策とされています。

そのため、心不全の発症予防、悪化予防のための正しい知識・理解が重要であるため、ハートの日のような啓発活動が非常に重要な役割を担っています。

今年のテーマは大切な人を守るためにみんなで心不全を学ぼうです。

開催時間は午前10時から12時までで、2部制になっています。

1. 第1部は心不全を正しく知ろうというテーマの講演会で岐阜ハートセンター副院長の中川正康先生による講演と理学療法士による運動指導です。

2. 第2部はハート座談会でテーマは専門家に聞く“心不全との付き合い方”です。

岐阜ハートセンターには医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士などの様々な職種の専門家からなるチームがそれぞれの専門分野におけるアプローチで心不全の患者さんの治療にあたっています。また、心不全はその原因となる病気を病院の中で治療するだけでなく再発を防止したり、現在健康な方も将来心不全にならないようするために、家庭や地域社会全体で対応していく必要があるため行政も大きな役割を担っています。

ハート座談会では、本地洋一さんや吉田早苗さんにも岐阜ハートセンターの心不全チームの専門家たちにどんどん質問していただき、また岐阜県保健医療課健康増進係の方にも参加していただき地域を含めた心不全との上手な付き合い方を学んでいただきたいと思います。

本地洋一さん:岐阜ハートセンターではでは医師と患者だけではなく、その周りにいる専門性の高いスペシャリストたちが一緒に考えて心不全の患者様を治療しているということですね!

吉田早苗さん:それに加えて心不全ではない一般の方も、私は若いから大丈夫ではなくて、将来心不全にならないようにする必要があるということでしょうか?

松尾院長:そのとおりです。心不全の予防とは心臓病の予防と言っても過言ではありません。つまり、日常生活習慣が大変重要となります。

食事でいうとどのような食事が良くて、どのような食べ物が良くないのか?

運動習慣の重要性であったり、どの程度の強度の運動をどのくらいの時間、どのくらいの頻度で行うのか良いのかなどを分かりやすくお伝えできると思いますので、熱い中ではありますが、是非じゅうろくプラザに足を運んでいただけると良いかと思います。

 

吉田早苗さん: 次回のハート相談所は2023年8月24日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。