『きょうもラジオは!? 2時6時 』~第96弾~

2024年5月23日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 96回目の放送です。

今回の放送のテーマは先週に引き続き『肥満と心臓病』についてです。

本地洋一さん: 前回の放送では肥満のお話からメタボリック症候群を放置すると恐ろしい病気を発症する可能性があるというお話をしていただきました。今回は復習も含めてその続きを教えてください!

 

松尾仁司院長: 前回の復習です。本地さん肥満には二つのタイプがあるとお話ししましたが、覚えていますか?

『皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満』

一般的に肥満とは脂肪が身体につきすぎた状態のことを言います。さきほど体脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪の2つのタイプがあるといいましたが、肥満も皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型があります。

皮下脂肪型の肥満は女性に多く見られ、体型的には下半身に脂肪がついた洋ナシ型になりがちです。一方で内臓脂肪型肥満は男性に多くみられ、体型はポッコリお腹のりんご型体型になりがちです。

 

内臓脂肪は血液中の脂質と密接に関係してきます。つまり、内臓脂肪が増えると血液中の中性脂肪や悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増え、善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減るということになります。

つまり、内臓脂肪が多い方は脂質異常をきたしやすいため、動脈硬化を起こしやすく、狭心症や心筋梗塞、急性大動脈解離などの心血管疾患や脳卒中の命に関わる恐ろしい病気になりやすいと言われています。

さらに、メタボリック症候群とは内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさった状態のことで、厳密には病気ではありませんが、脳梗塞や心筋梗塞などの原因となる動脈硬化のリスクを高めることがわかっています。

メタボリックシンドロームの診断基準 *厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトより抜粋

さらにこれら4つの条件(内臓肥満+高血圧+糖尿病+高脂血症)全て揃った状態を死の四重奏と言い、心筋梗塞などの心臓病で死亡する確率が30倍以上高くなることが知られています。

 

本地洋一さん:『死の四重奏』とは恐ろしいですね。『メタボリック症候群』はその一歩手前ということですか!『メタボリック症候群』は病気ではないということですが、放置しておくと恐ろしい病気にかかる可能性が極めて高い状態ということが分かりました。

これまでも、先生に様々な循環器疾患のお話をしていただいたのですが、共通していることは循環器疾患の予防、再発防止や進行を食い止めるには生活習慣の改善が大切であるということですよね!

松尾仁司院長: おっしゃるとおりで、病気の中には癌のように遺伝的要素が強い病気と生活習慣と密接な関係がある『メタボリック症候群』によって引き起こされる動脈硬化を原因とするような病気があります。もちろん近年では大変良い薬が出てきていますので、お薬で血圧や血糖、コレステロールの値をコントロールすることが出来るようになってきています。

しかしながら、長く健康な生活を続けるためには生活習慣を改善することを強くお勧めいたします。

本地洋一さん: 私もメタボ体型で、努力はしているのですがどうしても長続きせずにリバウンドを繰り返してしまいます。先生は多くの患者さんを診られていると思いますが、『メタボリック症候群』の方に対するアドバイスをお願いします。

松尾仁司院長: まずはご自分の生活習慣をチェックすることから始めましょう!

リスナーの皆様は、今から上げるチェック項目のうちいくつ該当するかチェックしてみてください。

1. 20歳の時の体重から10kg以上増加している。

2. 1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2回以上、1年以上実施していない。

3. 日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していない。

4. 同世代の洞性と比較して歩く速度が遅い。

5. この1年間で体重の増加が+3kg以上あった。

6. 早食い・ドカ食い・ながら食いが多い。

7. 就寝前の2時間以内に夕食を取ることが週に3回以上ある。

8. 夜食や間食が多い。

9. 朝食を抜くことが多い。

10. ほぼ毎日アルコール飲料を飲む。

11. 現在タバコを習慣的に吸っている。

12. 休養が取れていない。

以上のうちで、該当する項目が多いほど、メタボリック症候群になりやすい生活習慣を送っていることになります。

 

『1に運動、2に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ』

松尾仁司院長: 『メタボリック症候群』特に『肥満』は生活習慣を改善することが非常に重要です。

近年、喫煙率は徐々に低下してきていますが、『メタボリック症候群』に該当する方で喫煙習慣がある方は脳卒中や心筋梗塞の発生率がさらに上がってしまうことが知られています。

吉田早苗さん: 1に運動ですか・・・ 頭では理解しているのですが、続けるのはなかなか難しいですよね!

松尾仁司院長: 運動は内臓脂肪を減らすのに一番効果的な方法ですが、運動しなくてはいけないとハードルを上げてしまうと長続きしません。また、有酸素運動というとマラソンやジョギングを連想される方もお見えになりますが、苦しいことは長続きしません。」少し脈拍数が上がる程度のウォーキングで十分です。

たとえば、街の中は無料のスポーツジムと考えてみてはいかがでしょうか?

大型ショッピングモールなどは、階段あり、まわり道ありで空調設備も完備しているため誰ても簡単にウォーキングが出来ますよね!

あと、スポーツ用品店で室内用自転車を購入しテレビの前に置けば、家にいながらしかもテレビを見ながら有酸素運動をすることが出来ます。

あと、ウォーキングや自転車などの有酸素運動に加えて、スクワットや腹筋運動などの筋力トレーニングを併用すると基礎代謝が高まり太りにくい体に体質改善が出来ます。

とにかく、色々と工夫をして運動習慣を身につけることが重要です。

吉田早苗さん: 2の食事の重要性ですが、本地さんは早食い・ドカ食い・ながら食いが多いですよね!あと、アルコールは良くないですか?

松尾仁司院長: 過剰な飲酒はもちろん良くありませんし、お酒のおつまみには高カロリーで塩分を多く含んだものが多いので気を付ける必要があります。しかし、少量であれば飲酒によりストレスを軽減することが出来るとも言われているため、完全にダメではないと思います。

吉田早苗さん: あと、食事のとり方やおすすめの食材などはいかがですか?

松尾仁司院長: まず食事のとり方ですが、基本的に満腹になるまで食べないことが大切です。あと、ゆっくり食べることですね!

本地洋一さん: 我々の年代の男性は、早食いの人が多いですよね!若いころからの習慣なのでなかなかゆっくり食べるのは難しいですよ・・・。

松尾仁司院長: 食材としては、抗酸化作用のある緑葉食野菜を積極的にとることをお勧めします。

 

あと、持病のある方はご自分の病気に合わせたメニューを食べることが大切です。たとえば、高血圧の方は減塩食、糖尿病の方は総カロリーを抑え、間食を控える。高脂血症の方は、青魚を食べるなどです。

本地洋一さん:リスナーの方もご自分の生活習慣を振り返るところから始め、改善する努力をするということですね。一緒に頑張りましょう!

 

吉田早苗さん:ありがとうございました。また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などがございましたら、番組までドシドシとお寄せください。

次回のハート相談所は2024年6月13日(木)14:30からの放送になります。