2025年8月28日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 の放送です。

今回の放送のテーマは『かかりつけ医の大切さ』です。

松尾仁司院長:早速ですが本地さん、かかりつけ医とはどんなイメージがありますか?

本地洋一さん:家の近くの開業医の先生で、風邪をひいた時とか、自分の体全体を診てもらい、気軽に相談できて日常的にかかることができるお医者さんだと思います。

松尾仁司院長:はい。まったくその通りですね。たしかにかかりつけ医の先生のところで大きな手術とかはできませんが、手術が必要かどうかの判断をしてもらうことや、例えば喉が痛いとか咳が出るとかお腹が痛いとか、そのような症状の時にどの病院に行ったらいいのか、あるいは行く必要がないのかということも判断してもらえる、それがかかりつけ医の先生達になります。

大きな病院というのは、診療科が細分化されています。例えば循環器内科、呼吸器内科、消化器内科など色々な診療科があります。それぞれの分野に特化した先生達なのですが、人間の体は1つの臓器だけが病気になるわけではありません。高齢になればなるほど、色々な体の箇所が弱ってきますので、それを総合的にどの診療科が適しているのか判断してくれることが、かかりつけ医の重要な役割です。ホテルで言うコンシェルジュのような役割ですね。

さらに、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病というのは、将来大きな病気にならないためにきちんと管理することは非常に重要です。悪い生活習慣の是正の道しるべを示してくれるのも、かかりつけ医の先生ということになります。一時的なものではなく、何年も何十年も一緒に健康に関して相談できるのが、かかりつけ医の先生となります。

急に大きな病院に受診して、色々なことを相談しにくいということはないですか?

本地洋一さん:そうですね。自分のこれまでの既往歴も一から説明しないといけないと考えると、受診する前に色々な段取りが必要になりますよね。でも、普段見てくれているかかりつけの先生であれば、全てを知ってもらっているため、1つの症状に対しても素早く敏感に反応してもらえる、そんな思いがしますね。

 

『かかりつけ医をもつ7つメリット』

  • 病気や健康問題を気軽に相談できる
  • 的確な診断を受けられる
  • 高度な医療機関との連携がスムーズに行える
  • 「主治医の意見書」や指示書を書いてくれる
  • ケアマネージャーと連携して
  • 在宅の見取りにつなげてくれる
  • 死亡診断書を書いてくれる

 

松尾仁司院長:私は昔、高鷲診療所という所で5年間勤務していたことがあります。その当時は村だったので、小さなコミュニティなのですが5年間いると、1つの家庭の中でおじいさん、おばあさん、赤ちゃんも病気になったりして、その1つの家庭の人達みんなの病気を診たりします。1人の医者が1つの家庭の病気を診ることは、なかなかないと思いますが、そのようなお医者さん達を家庭医と呼びます。患者本人だけでなく、その家族や生活環境を踏まえて診察をします。また、幅広い年齢層(小児から高齢者まで)を一貫して診ること、慢性疾患管理(高血圧・糖尿病など)や予防医療、健康相談を中心に行うという特徴があります。また、在宅診療と言って寝たきりに近い高齢者の方を自宅まで定期的に診察したりする大きな病院では手が届かないところをケアしてもらっています。病院に通院するのも難しいような状況になっても、こういった家庭医、かかりつけ医を持つことで、先生達がちゃんと診てくれるという大きなメリットもあります。

林景子さん:私も母が通っていた内科に私も通っていて、私の娘も通っているのですが、母の病気のこともあるから、あなたも気を付けなくちゃいけないよと言って下さり、私にとってはすごくメリットだなと感じていますし、色々なことを相談しやすい環境だと思います。

 

松尾仁司院長:それがまさに家庭医ですね。素晴らしい関係だと思います。やはり医師と患者さんの関係は人と人とのです。今の話だと、お母さんの時代から診てもらっていた先生を信頼して自分も自分の娘さんも診てもらうようにしているわけですから、そのような関係性が素晴らしいと思います。

本地洋一さん:信頼できるかかりつけ医をご自身で探して見つけて、今お世話になっている人は、今のかかりつけ医の先生とこれからもいいお付き合いをしていくということが大切ですね。

 

次回のハート相談所は2025年9月18日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。