『きょうもラジオは!? 2時6時 』~第103弾~

2024年9月12日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 今年17回目の放送です。

本地洋一さん: 本日のテーマは『健康寿命を延ばすための歩き方!』です。

 

前回はみなさん歩きましょうというテーマで健康寿命を延ばすためにはウォーキングが良いですよ!というお話をしていただきました。病気にならないためにとか健康増進のためにウォーキングをしたほうが良いということはなんとなくわかるのですが、より効果的で効率的な歩き方について教えてください。

松尾仁司院長: その前に、歩くという行為が何故健康に良いのかをお話ししましょう。

吉田早苗さん: 確かに、健康のために1日7000歩以上歩きなさいとか言われていますが、私自身その理由はよくわかっていない気がします。

歩き方の前に、そもそもウォーキングが病気を予防し、健康寿命を延ばすメカニズムが分かるとより積極的に正しいウォーキング習慣をつけることが出来る気がします。

 

『ウォーキングは、寿命を延ばすために非常に効果的な運動です』

ウォーキングは、寿命を延ばすために非常に効果的な運動です。心臓病やがん、糖尿病、認知症などのリスクを減らし、メンタルヘルスや筋骨格系の健康も改善します。定期的にウォーキングを行うことで、全体的な死亡リスクが低下し、健康寿命を延ばすことが期待出来ます。

1. 全体的な死亡リスクの低下

• 多くの研究で、毎日一定時間のウォーキングを行うことで、全体的な死亡リスクが15~30%程度低下することが示されています。これは、ウォーキングが心臓血管系を強化し、血圧やコレステロール値の管理に寄与するためです。

• 特に、中高年の人々にとって、ウォーキングは節単で安全な運動であり、健康維持と寿命延長に大きな効果があります。

2. 心血管疾患の予防

• 心臓病や脳卒中などの心血管疾患は、寿命に大きな影響を与える主要な要因です。ウォーキングは、心血管系の健康を維持し、これらの疾患のリスクを低下させることが確認されています。

• 毎日30分のウォーキングで、心臓病や脳卒中の発症リスクが約20~30%低下します。

3. がんのリスク低減

• 定期的なウォーキングは、特に結腸がんや乳がんのリスクを減少させることが報告されています。運動が代謝を促進し、免疫システムを強化することで、がん細胞の増殖を抑制する働きがあります。

• 週に150分以上のウォーキングを行うと、がんの発症リスクが約15~20%減少するとされています。

4. 糖尿病と肥満の予防

• 適度なウォーキングは、血糖値のコントロールに役立ち、2型糖尿病の予防や管理に非常に効果的です。糖尿病は寿命に大きな影勝を与える病気ですが、ウォーキングによってインスリンの感受性が向上し、血糖値が安定します。

• また、ウォーキングは体重管理にも効果があり、肥満が原因となる多くの健康問題を予防することができます。肥満が減少すると、寿命延長の可能性が高まります。

5. 認知症予防

• 定期的に歩くことは、脳の健康を維持し、認知症のリスクを低下させるため、寿命だけでなく健康寿命(病気や障害なく過ごせる期間)を延ばすことに繋がります。認知症が予防されると、老後も自立した生活が送れ、生活の質が向上します。

6. 精神的健康の向上

• 歩行はメンタルヘルスにも良い影響を与えます。ストレスや不安、うつ状態を軽減する効果があり、幸福感や精神的な安定をもたらします。精神的な健康が保たれることは、全体的な健康状態に良い影響を与え、長寿にも寄与します。

• メンタルヘルスが改善されると、心臓病や高血圧などのストレス関連疾患のリスクが減少し、寿命を延ばすことが期待されます。

7. 筋力と骨密度の維持

• 歩行は筋肉と骨に適皮な負荷をかけるため、加齢に伴う筋力低下や骨密度の減少(骨粗しょう症)を予防するのに役立ちます。筋肉や骨が強い状態を保つことで、転倒や骨折のリスクが減少し、長期的な健康に貢献します。

• 特に高齢者にとって、骨折は健康に深刻な影響を与えることが多く、ウォーキングによって筋肉や骨の健康を維持することは、事故や怪我による早期死亡のリスクを減らします。

 

吉田早苗さん: よくわかりました。誰もが思い立った時や時間が空いたときに手軽に特別な道具を使わなくても出来てしかも効果的な運動だからウォーキングが勧められているわけですね!

本地洋一さん: とは言え、私なんかはどちらかというとゆっくりとだらだら歩きがちなのですが、より効果的な歩き方について教えてください。

松尾院長: 正しい歩き方というのはだらだらと歩くよりもしっかりと手を振って、背筋を伸ばして歩くほうがより運動としての効果は高く、手を振って歩くだけで消費カロリーは増えるといわれています。

(出典)厚生労働科学研究循環器疾患等総合研究事業「糖尿病予防のための戦略研究」

『効果的なウォーキング習慣とは』

  1. 適切なウォーキングの習慣
    • 効果を得るためには、ウォーキングを習慎化することが重要です。WHO(世界保健機関)は、成人に対して1週間に150分以上の中等度の運動(ウォーキングなど)を椎奨しています。これを1日に換符すると、20~30分程度のウォーキングを行うことが理想的です。
    • さらに強度を上げた速歩(ブリスクウォーキング)を行うと、より効果的で、同じ時間でも健康効果が高まります。
    • ウォーキングは有酸素運動であり、適度な強度で長時間行うと体脂肪を効果的に燃焼させます。歩行速度や体重によって異なりますgあ、1時間のウォーキングで200~400kcalほど消費することが出来ます。
  2. 歩数と寿命の関係
    • 1日の歩数と寿命には明確な関連性があるとされています。1日に約7,000~10,000歩を歩くことが、死亡リスクを低下させ、長寿に繋がるという研究結果があります。特に、高齢者でも日常的に歩数を意識することで、健康を維持しやすくなります。

吉田早苗さん: 次回のハート相談所は2024年9月24日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。