2025年8月21日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 の放送です。

今回の放送のテーマは『だるいとは?』です。

松尾仁司院長:“だるい”という言葉は、日常生活の中で山ほど出てくるかなと思います。

これだけ暑い日が続くと、「今日だるいわ」と皆さん言うと思います。その体のだるさを他の言葉を使うと“倦怠感”という言い方をしますが、確かに“だるい”という症状を主訴に訴えて病院に来院される方は珍しくありません。ただ、その人達がすべて病気の人かというと、そうではないということも分かっていて、体のだるさというのは、例えば夜更かしして睡眠時間が短くなると朝だるいなと感じるでしょうし、色々な疲労や精神的なストレスなどでも体がだるいと訴えられる人がいますので、本当の病気でなくても“だるい”という感覚を訴えられる人は多いです。

 

ただ中には病気によって、体のだるさを訴えられる人が少なからずいらっしゃいます。様々な報告では、“だるい”という主訴で病院に来られる20%くらいの方が、何らかの病気を背景に持っていると報告されています。そして、私達は心筋梗塞などの心臓の病気を専門にしている病院ですが、“胸が痛い”と来院される方の中で手術が必要になるような病気の人というのは、5~10%程度と報告されています。なので、20%というのは決して少なくなくて、5人に1人は何らかの病気が隠れているという考え方ができるので、頻度としては決して少なくないということです。先ほど話した生活習慣の乱れや睡眠不足だとかは休めばよくなります。なので、休んでもよくならない“だるさ”は、ちゃんと病院に行く必要がある思います。

実際どんな病気が隠れているかというと、

感染症(風邪、インフルエンザ、新型コロナなど)

貧血(鉄欠乏性など)

内分泌・代謝の異常(甲状腺機能低下症、糖尿病など)

循環器系の病気(心不全、不整脈など)

肝臓・腎臓の障害

うつ病や不安障害などの心の病気

慢性疲労症候群などの特殊な疾患

全身あらゆる臓器の異常というのが、“だるい”という症状が現れるので、甘く考えてはいけないというのが僕たちの考え方になります。

吉田早苗さん:だるいなと思うと栄養ドリンク飲めばいいかとか、割と簡単に自分勝手に判断しちゃいますが、軽く見てはだめですね。

 

松尾仁司院長:ダメではありませんが、例えば寝不足で次の日にぐっすり寝たら翌日に症状がないというような場合は大丈夫だと思います。

あとですね、先ほど“だるい”という症状は全身のどの部分の病気でも症状を伴ってくる話をしましたが、なぜだかわかりますか?

これは、私もへぇと思ったのでご紹介しますが、体がだるいと感じるのは、実は筋肉や血液に「疲労物質」が溜まっているからではなく、脳が活動を抑制しようとする信号だと言われています。風邪のときにだるくなるのも、脳が「動くな、休め」というサインを出して、免疫が働きやすい環境を整えているという考え方があります。ちょっとびっくりじゃないですか!?

本地洋一さん:自分の体を守るためにあまり無駄な動きをするなと、一つは免疫力を高めたり、その症状に対して治すための力をそこで使いなさいよというようなことですね。

松尾仁司院長:だから体がすごくだるいにも関わらず。頑張りすぎるというのは脳が休んだ方がいいですよと警告サインを出しているのに、それを聞かないと病気が悪くなったりしてしまう。そういう点で体全体の警告サインを出しているというような考え方になります。

本地洋一さん:先生、やはりだるさを感じた時には、ちゃんと言うことを聞かなきゃいけませんね。

 

松尾仁司院長:やはり休むということが一番重要で、確かに人間の体というのは免疫能力というのがあって、体の異常とかウイルスや細菌に対しても自分の力で治す力がありますが、

その力を最大限にするために他のことにエネルギーを費やすと免疫能力を100%使えないということになるので、だるいという症状が強い場合には休むことが重要になってきます。

また、“だるい”という症状に色々な症状、例えば発熱や体重減少などが重なると、単純なかぜやインフルエンザよりも、もう少し注意が必要な病気が考えられます。

考えられる可能性のある病気

1. 感染症(慢性または全身性)

• 結核:長く続く微熱・体重減少・寝汗・咳が特徴

• HIVや他の慢性感染症:発熱と体重減少を起こすことがある

2. 内分泌・代謝

• 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など):発熱感、体重減少、動悸、手の震え、多汗

3. 血液疾患

• 悪性リンパ腫・白血病など:発熱、体重減少、夜間の寝汗(いわゆる「B症状」)

4. 悪性腫瘍(がん)

• 発熱や体重減少が初期症状になる場合がある

これらはすぐに病院に行くべき病気が隠れている場合もあります。

本地洋一さん:ちょっとだるいなで済ませずに、例えば1日で終わればいいけれど、2,3日続くとか回復しないとかなどは、きちんと診断をしてもらうことが大切なことなんですね。

吉田早苗さん:先生、だるさの原因の一つにやっぱり気温差も関係ありますか?特に今年は外はすごく暑くて、建物の中に入ると涼しくなったり、そういう急な温度差でも体のだるさの原因になりますか?

松尾仁司院長:季節の変わり目ってありますよね。急に寒くなったり急に暑くなったりすると、自律神経の調整が追いつかなくなるので、体調が悪くなったり“だるさ”を感じるということはあります。自律神経の調整が追いつかないことで、季節の変わり目に体調を崩す人が多い一つの原因ということです。

吉田早苗さん:なるほどね。なんかだるいという症状だけで病院に行くのもどうかなと思って、栄養ドリンクで済ませてしまいがちですが、病院に行くか行かないかの判断はどうすればいいですか?

松尾仁司院長:先ほども少しお話ししましたが、受診を考えた方がよいサインというのは、

  • 数日休んでも全くよくならない
  • 発熱、体重減少、強い動悸・息切れ、むくみなどを伴う
  • 動くのもつらいほど強い倦怠感
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色い)、血尿、黒い便などを伴う

こうした場合は受診することをおすすめします。

先ほどな話したように“だるさ”というのは、頭が体を休めなさいと言っているサインであるということを知っていただいて、無理をしないことは重要ですし、休んでもよくならなければ、その時はちゃんと病院に受診するようにしてください。

本地洋一さん:普段と体の様子が違う、体調が違う、“だるさ”というのも1つの異常のサインなので、甘く考えずにお医者さんに受診することが大事ですね。

 

次回のハート相談所は2025年8月28日(木)にお送りいたします。

また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。