心臓専門病院が、本気で、あし、下肢静脈も診ているということを外部にもわかりやすいようにとバーチャル施設として2024年4月1日に、あしの診療・静脈センターを開設することになりました。2023年には379例(555肢)手術(原則日帰り)を行ないました。第1回東海静脈学会地方会が2月に名古屋で開催され東海での活動が盛んになってきています。今回の命名でさらに症例数が増加することを見込んでおり、下肢静脈を本気でやってみたい人を募集しています。
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循環器の分野の中では、下肢静脈の疾患は当たり前に出会うにもかかわらず、まだまだ未開拓の分野です。裾野が広い分野だからこそ、日常の疑問を臨床研究で解決し、日常臨床にフィードバックすることができるブルーオーシャンだと考えています。それが目の前の患者様のため、下肢静脈に関連するすべての患者様のためにつながることと信じています。担当疾患は、下肢静脈瘤、機能的静脈不全、深部静脈血栓症、静脈性潰瘍、蜂窩織炎などです。
下肢静脈瘤は循環器内科から外科への紹介が一般的で、下肢静脈の問題から全身病の併存など内科へ紹介などはなされてきませんでした。しかし文献上慢性静脈不全は動脈硬化病変を併存すると報告されており、当院研究では慢性静脈不全患者で冠動脈カルシウムスコア100以上(冠動脈石灰化中等度以上)が35%存在しました。これまで狭心症などの精査は行なわれることなくあしの治療のみなされてきました。あしと全身の両方を診る視点に立つことで、このような無症候性狭心症のリスク群に対して予防、診断、治療を行なうことができるのは、ハートセンターならではのものと考えています。心臓血管分野のひとつとして下肢静脈瘤を通して患者様のあしとともにからだ全体の健康維持にお手伝いできればと思っています。
これまでの海外留学、国際学会、論文作成、研究室運営などさまざまな経験をもとに、ハートセンターという循環器専門病院の中で下肢静脈という古くて新しい分野を切り拓き、世界に羽ばたく人材を育てたいと思っています。臨床はもとより、研究立案、国際学会発表、論文作成まで指導させていただきます。海外留学のご相談にも応じます。
現在の体制は、他職種とフットケアチームを組みサポートをいただきながら、富田が手術・外来・入院・研究を行なっています。ブルーオーシャンに向かってオールをいっしょにこぎ出してみませんか。Think Globally, Act Locally.がモットーです。興味がある人なら誰でもいつでもウェルカムです。いっしょにやってみたい、あるいは話を聞いてみたいと思われる方は、ぜひご一報ください。
岐阜ハートセンター 電話058(277)2277 富田伸司 tomita@heart-center.or.jp、
募集内容
初期研修終了後―卒後10年くらいまで。
下肢静脈を中心にやってみたいという方であれば、それまでの所属科は問いません。
外科専門医、心臓血管外科専門医制度では、関連教育施設としての位置づけです。