こんにちは、管理栄養士の嶌田です。
前回までは塩分管理についてお話しをさせていただきました。今回は心臓病の中でも心不全の患者様において重要な水分管理についてお話ししたいと思います。
心不全という病態は進行するにつれて、心臓から全身に血液を循環させる働きが不十分となり、身体の中に余分な水分が貯留してしまいます。すると、むくみが出てきたり、胸に水が溜まることで息苦しさが出現することがあります。心不全の状態によっては厳格な水分制限が必要となることもあります。
しかし、すべての心不全患者様に水分制限が必要というわけではありません。水分を制限しすぎることで血液が固まりやすくなり、かえって虚血性心疾患などを招く恐れがあるためです。そのため、水分は過剰にならない範囲で管理することが重要です。
では水分の摂取量が適切かどうかを知るには何をすればいいでしょうか?
それはセルフモニタリング(ご自身で毎日観察)をすることです。
水分が過剰になると身体には様々な症状が出てくるため、症状が無いか毎日ご自身で確認してもらうことが大切です。
特に注意していただきたい症状が以下のものになります。
① 身体のむくみが増した
② 1週間で2㎏以上体重が増加した
③ 息苦しさが増した
これらに該当する症状があった場合は、水分を摂り過ぎていなかったか振り返り、できるだけ早く病院を受診するようにしましょう。
適切な水分の量は心臓の状態や年齢、体格などによって異なるため、全員が同じ量で管理すれば良いというものではありません。ご自身に水分制限が必 要かどうか、適切な水分量はどのくらいなのか、気になる方は医師や管理栄養士にご相談ください。