こんにちは。理学療法士の久世です。梅雨真只中ですが、次期に本格的な夏到来。心臓患者さんにとって暑さは大きなストレスです。今月は、夏を安全に過ごすための工夫についてお伝えします。

暑さが心臓に与える影響

高い気温下では、体温調節のために皮膚の血管が拡張します。大量の汗とともに水分と塩分が失われ、血液が濃くなって血流が悪くなります。その結果、心臓は血液を送り出すために過剰に働かなければなりません。

心臓患者さんにとって、このような環境変化は特に危険です。不整脈が出やすくなり、心不全が悪化しやすくなります。熱中症のリスクが大幅に上昇し、脳卒中の危険性も増加します。

安全な運動の工夫

運動時間の選択は非常に重要です。朝5-7時が最も涼しく安全です。夕方6-8時も次点で推奨できます。日中の10-15時は可能な限り避けるべきです。

運動内容にも工夫が必要です。通常30分の散歩であれば20分程度に短縮し、速度を落としてゆっくりペースで行います。日中は室内運動に変更することをお勧めします。日差しが特に強い日は、無理をせず運動を休止するのも選択肢となります。

室内運動の活用

ラジオ体操・テレビ体操(毎日10分)は、エアコン下で安全に運動できるベストチョイス。筋力トレーニング(スクワット、腕立てなど)も室内なら制限なく実施可能。

夏の日常管理10ポイント

水分補給の工夫として、1日1.5-2Lをこまめに補給することが大切です。1回200mlを8回程度に分けて摂取するのが効果的です。常温または冷たすぎない温度が推奨されます。スポーツドリンク(水分、塩分、糖分を含む)は運動時に特に有効ですが、塩分制限がある場合は医師に相談してから使用してください。

服装の工夫も重要です。吸湿速乾素材を選びましょう。綿は汗を吸収しますが乾きにくいため、避けた方が無難です。薄色(白やベージュなど)を選ぶことが大切です。黒は熱を吸収してしまうため避けてください。帽子は熱中症予防の鉄則として必ず着用し、サングラスで眼を保護することも忘れずに。

食事・栄養管理では、塩分制限を守りながらも電解質(ナトリウムとカリウム)をバランスよく補給することが重要です。卵、豆、魚などのタンパク質で筋肉を維持し、ビタミンBとCで疲労回復を促進してください。冷たいアイスクリームの食べ過ぎは避けましょう。冷たい食べ物は血管に刺激を与えてしまいます。

十分な睡眠(7時間以上)を確保することで、免疫力を維持してください。昼間の無理を避け、疲れたら昼寝をとることも大切です。エアコンの使用は控えめにし、冷えすぎないよう注意してください。

体調把握

毎日、朝・夕に体温と体調をチェック。記録することで、体の変化を早期に発見できます。

危険なサイン – こんな場合はすぐに受診

以下のような症状が現れた場合は、躊躇なく医療機関に連絡してください。めまいやふらつき、いつもより強い息切れ、胸痛や圧迫感、汗が止まらない、または逆に汗が出ないなどの症状があります。さらに体温が39℃以上の場合や、判断力の低下や意識が朦朧とした場合も危険信号です。

今月のアクション:夏の安全運動プランを作成

運動時間を決めることが重要です。毎日朝6時、または夕方7時など、固定時間に運動を行うようにしましょう。習慣化することで、無理なく続けやすくなります。

室内運動メニューを準備しましょう。テレビ体操を10分、スクワットを15回2セット、ダンベル・カールを10回2セット行うといった具合に、自宅で実施できる簡単なメニューを組み立てておくと良いでしょう。

毎日記録をつけることで、自分の体の変化を追跡できます。日付、時間、体温、運動内容、そして自分の感覚(めまいの有無、息切れの度合い、疲労度)を記録することで、暑さに対する体の反応を客観的に理解することができます。

次回予告

8月は『食事と運動、両輪で健康に』をテーマに、心臓に優しい食生活と運動のバランスについてお伝えします。お楽しみに!

理学療法士はあなたにとってベストな運動管理を提供します。ご興味のある方は心臓リハビリテーション室(058-213-0488)までご連絡ください。

また、ご質問がある方は是非ご連絡頂ければ幸いです。