毎朝8時30分、心臓血管外科の一日は、全員が一丸となる「朝の回診」からスタートします。

外科部長を中心に、医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、MSW(医療ソーシャルワーカー)など、多職種の専門スタッフがそろい、CCUから3階・4階の一般病棟まで、入院されているお一人おひとりのもとを訪れます。

■カルテだけでは見えない「小さな変化」をすくい取る
朝の回診で大切にしているのは、カルテの情報だけでは分からない患者さんの状態を、実際に会って確かめることです。表情や声のトーン、痛みの訴え、生活上の困りごとなどを丁寧に拾い上げ、その日の治療やケアに生かしています。
また、それぞれの専門職が自分たちの視点から患者さんの状態を評価し、必要な支援を提案しています。

  • 医師:治療方針の決定、夜間の変化の把握
  • 看護師:日々のケア状況の共有、生活面での困りごとの確認
  • 薬剤師:内服状況の確認、薬剤調整の提案
  • 栄養士:食事の摂取量や栄養状態の評価、最適な食形態の提案
  • 理学療法士:心臓リハビリテーションの進捗確認、離床への介入
  • MSW(医療ソーシャルワーカー):退院に向けた環境調整、生活背景や経済的課題の把握

これほど多様な職種が、毎日全員揃って回診を行える環境は、当院の大きな強みです。

■なぜ「朝」なのか? 回診が持つ3つの即応性
朝の回診には、いくつもの大切な意義があります。
1. 治療方針をスピーディに決定できる 一日の早い段階で方針を共有するため、検査や処置のムダがなくなります。
2. 夜間の変化に即座に対応できる 前夜に起きた変化を見逃さず、その場で必要な治療法をディスカッションして即決します。
3. スタッフ全員が意思疎通しやすい時間帯 日中の手術や検査、外来診療が本格化する前に全員が顔を合わせることで、認識のズレを防ぎます。
「朝の回診」は、病棟全体が今日一日どう動くべきか、そのコンディションを整える役割を担っています。

毎日続けるからこそ、患者さんの回復を後押しできる
外科部長は、この毎日の取り組みについて
「回診は患者さんの様子を見るだけでなく、私たちが患者さんと真摯に向き合う時間です。チームで診ることで、治療の質は必ず上がる」
と語っています。
「毎日続けること」こそが、昨日とのわずかな違い、すなわち合併症の兆候の早期発見や、回復へのステップにつながります。
【私たちが毎日回診を行う5つの目的】
• 治療の質を最大化する
• 患者さんとご家族の不安を軽減する
• チーム医療の連携(多職種連携)を強固にする
• 術後合併症を早期に発見・予防する
• 患者さんの生活背景や退院後の暮らしまでを理解する

 

心臓血管外科の朝の回診は、患者さんの健やかな回復を第一に願う「チーム医療の象徴」です。
これからも私たちは、一人ひとりの患者さんに寄り添い、多職種が強固に連携し合うことで、より安全で、安心できる質の高い医療を提供し続けてまいります。