こんにちは、理学療法士の久世です。毎年この時期は寒くてなかなか外に出て運動ができないと言った声を聞きますが、それに加えて今年もコロナの影響により不要不急の外出を控えているため運動する機会が減っているように感じます。

 そこで今回は「自宅での運動について」お話したいと思います。

 まず初めに我々は退院後にも心臓病の患者様にリハビリを勧めています。可能な限り外来での通院を勧めており、それはなぜかと言うと1つ目は退院後間もなくというのはまだ病態が安定していないことがあるからです。無理な運動は返って逆効果になってしまうことがあるため我々医療スタッフの管理のもと監視下で行い、その後、病態が安定すれば自己管理で行う在宅での運動療法に移行します。2つ目は患者様が元気になっていることを実感して頂くことです外来リハビリに通って頂いた方には定期的に運動中の心臓の状態がどれくらい良くなったのかや筋力がどれくらい増えたのかなど体力測定を行っています。そこで効果判定を行うことで運動の効果を実感して頂く事ができます。どうしても個人で行う場合効果を感じられずに運動を断念されてしまう方が多いからです。なので運動の効果を実感することでその後の運動習慣にも良い影響があると考えています。

 前置きが長くなりましたが、自宅での運動療法の基本は前回の回でお話した通り有酸素運動(歩行など、30~60分間、最低週3回)です。この時期なかなか外に出られない場合は自宅でエルゴメータ(自転車)やウォーキングマシンなどを使用しても良いと思います。お持ちでない方は踏み台を使用した昇降運動でも良いでしょう。普段からあまりたくさん歩けない方については座りながら足踏みを行う運動をお勧めします。テレビなどを見ながら行う事ができ、座って行うため転倒する危険性も抑えられます。

 次に筋力増強運動(レジスタンストレーニング)も心臓病の患者さんに勧められることが多くなってきました。自宅でレジスタンストレーニングを行場合は自重を用いた足の種目(スクワットなど)を5~10回、2~3セット、できれば毎日行いましょう。負荷が弱いと感じられる方は重錘などをスポーツ用品店で購入しても良いと思います。また、動作をゆっくりと行うことでより負荷をかけることができます。「スロートレーニング」と呼ばれる方法で4~5秒かけて曲げていき、4~5秒かけて戻していくやり方です。

 最後に自宅で運動を行う場合は必ずその日の体調に合わせて行いましょう。体調優れない日に行っても運動は十分な効果を発揮できません。せっかく良いことをしているつもりが逆に心臓の負担にならないため、日頃の管理が非常に重要です。

 詳しいやり方については、以前このブログでお話した運動負荷試験を受けて、個別の運動処方を作成することをお勧め致します。是非、あなた自身のオリジナル運動プログラムを作成して欲しいと言う方は当院リハビリテーション室までご連絡下さい。