心臓リハビリテーションチーム

心臓リハビリテーションとは

心臓リハビリテーションは心血管疾患のための治療介入です

心臓は全身に血液を循環させるメインポンプです。心臓の病気が長引くと、その影響は心臓だけにとどまらず全身に及びます。調和のとれた健康なからだを取り戻すには、手術やお薬だけでは不十分なことがあり、適切な栄養を摂り、適度にからだを動かして休養をとる、という日々のライフスタイルが大変重要です。ハートセンターでは、リハビリテーションを「患者様が長期にわたりその方らしい生活が送れるような“健康行動”を身に付ける」ための『治療介入』と位置づけています。

患者様のニーズに応えるために、個々に適したリハビリプログラムを提供します

快適で質の高い生活をしていただくための患者様に合わせた総合プログラムを提案します

当院ではリハビリ担当医(循環器内科医)、理学療法士、看護師、管理栄養士をはじめ、薬剤師、臨床検査技師、医療事務の職種とも連携を図り、多職種による心臓リハビリテーションチームを構成し、包括的にリハビリテーション介入を行っています。チームの中には上級心臓リハビリテーション指導士1名、心臓リハビリテーション指導士7名が在籍しており、専門性が高いチームです。

心血管疾患の患者様は若年から高齢まで幅広く存在し、様々なライフスタイルを持つだけでなく、病状も個々によって異なります。そのため、それらを考慮した目標はもちろん、患者様のニーズを確認し、それに対応できるようプログラムを作成して患者様と一緒にリハビリテーションを行っていきます。

当院の心臓リハビリ室は、約125m2を有しています。自転車エルゴメータやトレッドミル、筋力トレーニングマシンによる運動はもちろん、身体能力が低い方でもできる運動内容の提供、時にはNMES(神経筋電気刺激療法)を用いて、安全に効果的に運動療法を提供できるよう体制を整えています。また、心肺運動負荷試験(CPX)に基づく適切な病態評価、運動処方を行い、より患者様に適した運動方法や強度を提供できるよう努めています。

心臓リハビリテーションの対象となる病気について

心臓リハビリテーションの対象疾患

医療保険制度による心臓リハビリ(制度上は「心大血管疾患リハビリテーション」と呼ばれます)の対象疾患は、心筋梗塞、狭心症、心臓手術後、大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管手術後)、 慢性心不全、末梢動脈閉塞性疾患(動脈硬化により下肢の血管が狭くなり、歩行時に痛みが出現する病気)です。これらの病気の場合、通常は心臓リハビリ開始から150日の期間、健康保険が適用されます。

薬にも負けない!心臓リハビリテーションの効果

心臓リハビリテーションの有効性は、さまざまな効果が証明されております

入院治療

『その後』を左右する急性期!早期の復帰を目指して

当院では専門家の監視の下、術後もしくは発症後早期から安全かつ効果的な運動を提供しています。手術後などは心臓の機能は良くなりますが、手術によるダメージで筋力が低下し、体力の低下にもつながります。心筋梗塞後などは心臓の機能も低下しているため、心臓の状態を確認しながら運動療法を行う必要があります。また、手術前から体力の増強を目的にリハビリテーションを開始する場合もあり、手術後は病状が安定した時点で、端座位から訓練を始めます。椅子に座ることはベッド上の安静による体力の低下を防ぎ、運動時の心臓の負担を減らすためにとても大切なことです。

その後、徐々に室内、廊下歩行へと身体活動を拡大し、さらにリハビリ室での訓練につなげていきます。心電図モニターや血圧測定を行い、運動時の状態を確認しながら、心臓にとって安全な範囲を保って進めます。これらの運動は通常の日常生活に必要な身体機能を再獲得するためのもので、限界に挑戦するような激しいものではありません。

心臓血管術後 心臓リハビリテーションプログラム

心血管疾患の患者様は退院後から疾病管理や再発予防に向けて自己管理が非常に重要です。

各職種が連携し、退院時に必要な疾病管理について詳しく説明させていただきます。

しかし、入院生活の間に体力の回復や自己管理を完璧にすることは困難です。

そのため、当院では退院後に外来通院での心臓リハビリテーションをお勧めしています。

外来治療

再発を予防し生命予後を改善する!

 病気の治療をするだけでは予後を改善するには不十分です。本当の予後改善のためには再発を予防するための生活改善を行うことが必要です。それは運動習慣のみではなく、食事の管理や病気の管理を身に付けることです。数ヶ月のプログラムを通して、予後を改善するための生活習慣を身に付けましょう!

 当院の心臓リハビリテーションプログラムは、医師・看護師・理学療法士・管理栄養士・薬剤師等からなる専門性の高いスタッフがチームを組んで、包括的にサポートします。定期的な検査や面談を通して体力や運動能力、心機能、栄養状態など様々な面から患者様の状態をチェックし、客観的なデータに基づき、1人1人に最適な介入を行います。また看護師や管理栄養士、薬剤師らによるカウンセリングを通し、運動だけでなくライフスタイル全般の見直しを行います。

ハートセンターの心臓リハビリテーションプログラム

外来リハビリテーションの流れ(約1時間程度)

①まずはじめに、血圧・体重測定を行い、体調確認の問診を行います。

 その後、ウォーミングアップのストレッチ体操を行います。

②自転車エルゴメータ、またはトレッドミルによる有酸素運動を行います。

 運動中にも血圧測定や心拍数、自覚症状等を確認します。

③有酸素運動の後には、マシンによる筋力トレーニングを行います。

 重さは1.0kg単位で調整でき、患者様に合わせた負荷量で行います。

④一通りの運動が終わりましたら、最後にクールダウンのストレッチ体操を行います。

 最後に血圧測定など体調確認を行い、終了です。

※プログラムの他に適宜、日常生活に関するお話をさせていただきます。何かお困りのことや相談事があれば、 いつでもスタッフに聞ける環境です。

また、運動開始前、中、後に体調が悪化したとしても医師の診察を受けることができるので安心して運動療法を受けることが可能です。

定期的なメディカルチェック

心肺運動負荷試験

心臓エコー検査

身体機能評価

根拠に基づいたリハビリテーションを行うため定期的に筋力、栄養状態、心機能などを把握するための評価・検査を行います。評価の結果から、適切なトレーニングの負荷量(強さ)や栄養の摂り方などを決めます。定期的に再評価を行い、状態に合わせて内容を再検討します。

生活指導

ご自身の状態や治療に関する

知識をスタッフと確認

服薬指導

服用している薬を把握し、

効果や飲み方について確認

運動指導

自宅で行える運動や適切な

運動強度について確認

患者様とスタッフにてご自身の日頃の生活指導、からだの状態、治療に関する知識をはじめ、日頃からご自身で行える血圧や脈拍、身体所見などのセルフチェック法を学びます。

外来心臓リハビリテーションの時間

午前 9:00~12:00×

心臓リハビリテーションに関するお問い合わせ、ご予約は

TEL 058-213-0488まで、お気軽にお問い合わせください。

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