末梢血管外来

血管には動脈と静脈があります。末梢血管外来では主に末梢動脈疾患(PAD)と、静脈疾患(慢性静脈不全、深部静脈血栓症、静脈瘤など)に対する診断、治療を行っております。静脈疾患については、あしの外来(形成外科)、心臓血管外科でも診療させて頂いております。

菊地 淳
菊地 淳循環器内科 医長
末梢動脈疾患(Peripheral artery disease : PAD)

末梢動脈とは主に上肢、下肢、腹部、頚部の動脈を指し、これらの閉塞・狭窄により血流低下を生じる疾患を末梢動脈疾患(PAD)といいます。なかでも下肢動脈の閉塞・狭窄は自覚症状が現れやすく患者数も多いため、しばしばPADと下肢動脈疾患は同義で用いられます。

末梢動脈疾患(PAD)の症状
間欠性跛行

歩行の途中で下肢のだるさ、痛み、しびれなどが現れ、歩行を続けられなくなることを間欠性跛行といいます。歩行時には下肢筋肉がより多くの血流(酸素)を必要としますが、動脈に閉塞・狭窄があると、それに見合う血流を供給できず、血流不足の症状として痛みが現れます。この症状はしばらく休むと軽快し、また歩行を再開できるようになります。

安静時痛

さらに重症になると、何もしていなくても、痛み、しびれなどを自覚するようになります。

難治性創傷、壊疽

最重症になると、痛みだけではなく、通常であれば数日で自然に治るような小さな傷が数週間以上たっても治らず(難治性創傷)、皮膚や筋肉などの組織が死んでしまいます(壊疽)。このような病状では創部に細菌感染しやすくなり、救命のために下肢切断を余儀なくされることもあります。
安静時痛と難治性創傷、壊疽をあわせて重症下肢虚血といいます。

末梢動脈疾患(PAD)の治療
運動療法、薬物療法

軽症の間欠性跛行例では、動脈の狭窄・閉塞が残っていても、運動療法(跛行トレーニング)と内服薬により、自覚症状を改善させることができます。運動療法については、患者様のみで独自に行うよりも、専門家のサポートのもとに行うほうが(監視下運動療法)効果が高いことが多くの研究で証明されております。当院では外来通院や短期入院による監視下運動療法を、積極的に行っております。他院でPADと診断された患者様でも、当院で運動療法をご希望の方はお気軽にご相談ください。

血行再建術(血管内治療、外科的手術)

重症の間欠性跛行と重症下肢虚血の症状を改善させるためには、物理的に血流を増加させる必要があります。
血管内治療(EVT:Endovascular treatment)はカテーテル治療とも呼ばれ、動脈の閉塞・狭窄を血管内から風船やステントで拡張し、自身の動脈を修理する方法です。局所麻酔で施行可能で、皮膚切開や縫合も不要なので、体への侵襲が少ないことが最大のメリットです。
下肢動脈の外科的手術は、バイパス手術や血栓内膜摘除術がその代表です。EVTでは再閉塞しやすいような病状や、より多くの血流改善が望まれるような重症例に選択されます。近年では、EVT治療技術の向上、より再発率の低い風船やステントの開発が進んだこと、またご高齢の患者様が増えていることから、より低侵襲であるEVTが選択されることが増えています。当院ではEVT、外科的手術のいずれも施行可能でありますので、個々の患者様の病状に応じて、より適切と考えられる治療方針をご提案させて頂きます。

外来担当医表はこちら

当外来の外来担当医表はこちらからご覧頂けます。

外来担当医表