2026年7月23日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』 の放送です。今回の放送のテーマは「糖尿病と心臓病」~深い関係と治療のポイント~です。
■ 糖尿病は「血管の病気」でもある
糖尿病は「血液中の糖が高い状態が続く病気」と理解されることが多いですが、実際には血管そのものを傷つける病気 であり、心臓病と密接に関わっています。
糖は本来、体を動かすための重要なエネルギー源です。しかし、糖が細胞内に取り込まれるためには「インスリン」という鍵が必要で、この鍵が不足したり、鍵穴が錆びついて働かなくなると、糖が細胞に入れず血液中にあふれてしまいます。これが糖尿病の基本的なメカニズムです。

■ 高血糖が続くと血管が傷つく
血液中の糖が高い状態が続くと、血液は“ベタついた状態”になり、血管の内側が傷つきます。
傷ついた血管にはコレステロールが染み込みやすくなり、動脈硬化が進行します。
その結果、以下のような全身の血管病を引き起こします。
・心臓:狭心症・心筋梗塞
・脳:脳梗塞
・腎臓:腎機能低下
・眼:糖尿病網膜症
・下肢:閉塞性動脈硬化症
心臓病の現場では、糖尿病を背景に持つ患者さんが非常に多く、治療において糖尿病の管理は欠かせない要素となっています。

■ 心臓病治療には「血糖管理」が不可欠
心臓の血管が詰まる病気(心筋梗塞・狭心症など)の治療では、カテーテル治療などの血管治療を行います。しかし、治療後の長期予後を左右するのは 血管を傷つける要因をどれだけ減らせるかになります。
その中心となるのが以下の3つです。
・糖尿病(高血糖)
・高血圧
・高コレステロール血症
これらはすべて動脈硬化を進める要因であり、複数を併せ持つほど血管は傷つきやすくなります。
そのため、心臓病の治療では 血糖・血圧・脂質の総合的な管理が重要となります。
「心臓だけを見るのではなく、血糖のコントロールを含めて全身の血管を守ることが心血管治療の本質」です。
■ 糖尿病治療は「生活習慣+薬物療法」
糖尿病の治療は、食事療法・運動療法に加え、近年は心臓病の予後改善にも効果がある薬剤が登場し、治療の幅が広がっています。
・食事療法
・適度な運動
・血糖を下げる薬、血管を守る薬(SGLT2阻害薬など)
心臓病の患者さんにとって、糖尿病治療は「心臓を守る治療」でもあるのです。

■ まとめ
糖尿病は単なる「血糖の病気」ではなく、全身の血管を傷つける病気です。心臓病の治療においても、糖尿病の適切な管理は欠かせません。
岐阜ハートセンターでは、心臓病と糖尿病の双方を見据えた総合的な治療を行い、患者さんの長期的な健康維持を目指しています。

次回のハート相談所は2026年8月20日(木)にお送りいたします。
また、心臓や循環器疾患に対する質問やご意見などは番組までドシドシとお寄せください。