下肢静脈瘤

静脈瘤は、足の表面の静脈が拡張してぼこぼこに膨らむ病気です。通常、柔らかい青紫色のこぶが下腿にミミズのようにみられます。

加齢、妊娠、立仕事、肥満などで静脈の逆流防止弁に圧力がかかり、壊れてしまうと、表面の静脈に逆流が起こり、でこぼこになってしまいます。圧迫すると凹みますし、炎症を伴わなければおさえても痛くありません。

症状は、下肢静脈がうっ血(血液が停滞)するため、 見た目が気持ち悪い、 足がむくむ、足がだるい、足がつる(こむら返り)、 痛みやかゆみがある、などです。 炎症や血栓を伴ったりすると、赤くはれたり、ひどくなれば皮膚色が浅黒くなり場合によっては皮膚潰瘍ができてしまいます。 有病率は高く(静脈瘤を持っている方はたくさんいる)、悪性疾患ではありませんが症状が強い方は手術治療を行うことになります。とくに皮膚潰瘍ができている方は、感染を伴うと治癒しませんので早期の手術をお勧めしています。

治療方法は、圧迫ストッキングを用いる保存療法と手術治療を行っています。

圧迫ストッキングは履いている間に、静脈瘤を押さえつけ、静脈うっ血による上記症状を軽減しますが、脱いでしまうと圧迫がなくなり静脈瘤が顔をだします。悪化や静脈瘤の予防には効果がありますが、根本治療ではありません。

手術療法は一般的に高位結紮術+硬化療法を採用しております。

ただ今、下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の導入する準備を進めております(2014年9月開始予定)

局所麻酔で1~2cmの皮膚切開を数箇所(状態によって変わります)行います。弁が壊れている静脈の根元を縛ることで血液の逆流を止めます。残った静脈瘤に必要に応じて硬化剤を注射します。当院では、術直前に表在血管用超音波検査を行い逆流のある血管(根元だけでなく、穿通枝静脈も)を確実に同定して結紮します。この方法で、日帰り手術を行う(当然、入院も可能です)ことで患者さまから好評を得ています。

下肢静脈瘤に対する血管内高周波焼灼(しょうしゃく)術導入について

下肢静脈瘤の血管内レーザー治療は2011年より健康保険適用の治療となりました。当院では、高周波カテーテル治療器(ClosureFastTM)を用いた血管内焼灼(しょうしゃく)術を行っています。この高周波焼灼術は、1,500℃ の高熱を発する従来のレーザーと比較し、最高 120℃ のより低いカテーテル温度で下肢静脈瘤を凝固閉塞させることができるため、より低侵襲・安全な治療法であると考えられております。

血管内高周波焼灼術は従来の外科的治療法と比較し、皮膚切開が少ない・術後の疼痛が少ない・術後感染症のリスクが少ないなどのメリットがあると考えられます。またヨーロッパで行われた大規模臨床試験の結果、高周波焼灼術による静脈閉塞維持率は、3年で92%であり、高い治療効果が期待できると考えられます。

従来から行っておりました高位結紮術・穿通枝結紮術・静脈瘤切除術と高周波焼灼術を組み合わせることでより安全でより低侵襲、そしてより確実な静脈瘤治療を提供させていただくことができると考えております。年間200例程度の実績がございます。

*静脈瘤の場所・形態により、血管内焼灼術に適しない場合がございます。

高周波発生装
(ClosureRFG Generator)

資料提供:日本コビディエン株式会社

手術の流れ
  1. 外来で、術前評価(静脈瘤の評価、手術するべきか否か、手術を行う際の全身状態の把握)を行い、手術日程決定、準備説明などを行います。
  2. 手術当日、手術時刻1時間前に入院、準備を行います。局所麻酔で行います。痛いかどうか多くの患者さまが心配されますが、いくつかの局所麻酔の注射(腕の採血程度)を過ぎれば、それ以上に痛みはありません。リラックスしていただくために、ご希望の音楽を流しています。例)80才女性、美空ひばり。55才女性、ユーミン。30才男性、米津玄師など。 お話ししながら、手技を進めます。
  3. 片足であれば30分―1時間程度で終了します。包帯をまいて病室に帰ります。帰宅後は、安静にする必要はなく、通常どおり生活していただきます。大事をとって安静にしておくとかえって、余分に深部静脈血栓などができることがございます。
  4. 30分安静後歩行していただき、問題ないことを確認し、ご帰宅いただきます。(通常、日帰りプラン)翌日、創部観察し、包帯をとりはずし、弾性ストッキングをはいていただきます。この翌日、御自分だけでストッキングをはくことに不安を感じます方は、1泊2日で行います。その場合、手術の翌朝スタッフが介助します。手術から2日後夜からシャワーを許可します。弾性ストッキングは手術後2週間くらいはいていただきます。
  5. 約1週間後外来受診し、問題なければ終了です。この際、もう一度、CT画像を用いながら、実際どのような手術を行ったのか説明します。入浴(風呂)を許可します。
  6. 一般的に焼灼された静脈は閉塞し、6か月から1年かけて、無くなります。それまで、ツッパリ感、ごろごろ感はしばらく残ることがあります。静脈瘤が6か月後以降に症状が気になる場合、再評価します。
外来予約

電話予約の方:水曜日(午前、午後)、木曜日 心臓血管外科 富田外来