【今日もラジオは２時６時⁉】に出演しました～第７０弾～

『きょうもラジオは!?　2時6時 』～第70弾～

2023年5月11日午後2時30分、『本地洋一のハート相談所』　第70回目の放送です。

今回の放送のテーマは『息切れ』です。

本地洋一さん： 『息切れ』と言いますと、私などは走った後にハーハーしながら『あーエラ！！』なんてことはよくあります。

吉田早苗さん： 確かに激しい運動をすると誰にでも『息切れ』って起こりますよね！

松尾院長： おっしゃる通りで、『息切れ』を感じたことがない人などいません。ほかにも「息が苦しい」「呼吸が苦しい」「呼吸がしづらい」「息が詰まる」など人によって様々な言い方があります。医学用語では、これらの主観的症状をまとめて『呼吸困難』と呼んでいます。

今お二人が言われたように『息切れ』は走ったり、山登りをしたときに感じる症状ですが、一方で肺や心臓の病気が原因で起こる場合もあります。

本地洋一さん： つまり、健常者でも激しい運動をした場合におこる『息切れ』と病気が原因で感じる『息切れ』があるということですね！

吉田早苗さん：今、リスナーの方から松尾院長にメールでの問い合わせがありましたので読んでみますね！

リスナーさん：酸素を吸っても吸った感じがしませんが、どうしてでしょうか？

松尾院長： ありがとうございます。とても良い質問だと思います。

今我々が生活している状態では空気中の酸素濃度は21％程度です。普通に呼吸して血液中に充分な酸素が取り込めている健康な状態では『呼吸困難感』を感じることはありませんし酸素のありがたさも感じることはありません。

一方で、富士山の頂上などの高い山の上では平地に比べると気圧が2/3程度に低下しますので、空気中の酸素濃度が同じでも酸素の量が少なくなります。このため少し動いただけでも血中酸素濃度が平地より低下しやすく、体内が酸欠状態になり『息切れ』を感じやすくなります。この状態で酸素ボンベなどで酸素を吸えば酸素を吸っているという実感を感じることができるのです！

吉田早苗さん： なるほど、酸素を吸った感じがしないというのは、健康な証拠ともいえそうですね！

本地洋一さん： 一方で、病気が原因で起こる『息切れ』もあるようですが、もう少し詳しく教えてください。

松尾院長： 最近テレビで『最近息切れを感じませんか？それはもしかしたら心臓弁膜症が原因かもしれません！』というようなCMが流れているのをご存じでしょうか？

このCMには心臓が悪い方は『息切れ』を起こす可能性がありますよというメッセージが込められています。

心臓の他にも肺に病気があったり、貧血があったりしても『息切れ』を起こす可能性があります。

肺という臓器は、空気中から酸素を血液中に取り込み、全身の臓器から戻ってきた二酸化炭素を息を吐くことによって排出する役割を持っています。心臓は肺で酸素化された血液を全身に送り出すポンプの役割を担っています。

したがって、長年の喫煙が原因で起こる慢性閉塞性肺疾患、肺癌などの肺の病気や心不全の原因となりうる虚血性心臓病、心臓弁膜症、心筋症などの心臓病もを『息切れ』原因となります。

本地洋一さん： 先ほど『息切れ』は主観的症状であるため、感じ方が様々で、人それぞれ表現方法が異なると言われました。また、『息切れ』は健常人も感じる一方で、肺や心臓の恐ろしい病気が隠れている場合もあるとのことです。私たちは、どのような『息切れ』を感じた場合に病院に行く必要があるか教えてください。

松尾院長： 大変難しい質問ですね！

今まで出来ていたことが息がきれて出来なくなってしまった。たとえば散歩中に、少し前までは一気に登れた坂道が、途中で休まないと登れなくなってきた方は要注意かもしれません。夜間に『息切れ』で目が覚めたりするような方は、なるべく早く病院で診察を受けたほうが良いと思います。

吉田早苗さん： 私は喘息持ちで、発作時は強い『息切れ』を感じます。

松尾院長： 喘息も『息切れ』など呼吸困難を感じる呼吸器疾患です。先ほどの慢性閉塞性肺疾患や肺気腫と異なるのは、これらが肺の構造自体が壊れて肺胞でのガス交換が出来なくなるのに対し、喘息はアレルギー疾患の一種で気管支つまり空気の通り道が収縮により狭くなって空気が通ることが出来なくなる病気です。

レントゲン写真や心電図に異常はないけど呼吸困難の訴えが強くまた呼吸音がヒューヒューと聞こえる場合、喘息発作を疑います。

今までの放送で運動の大切さを繰り返しお伝えしてきました。

お年を召すことによって足腰の筋肉が衰えてきた方は、積極的に運動することによって活動性を維持できるだけでなく恐ろしい病気の予防にもつながります。

一方で、心不全や呼吸器疾患が悪化したことが原因による『息切れ』の場合は運動することがかえって病状を悪化させることがあるので注意が必要です。